22/03/14 03:52:36.94 xz/Yrzf40.net
>>266のつづき
その翌日、
俺たちは近くの川に釣りに行った。
他にする事が別になかったからだ。
川の広さは10メートルもない小川だが、
ちょっと下流に降りると広い深場になっており、
そのすぐ下が小さな滝になっている。
俺はスピナーと言う小さな羽の付いたルアーを、
その深場の対岸近くにサッと投げ入れた。
ルアーとは金属、プラスチック、
ゴムなどで出来た擬似餌の事だ。
いきなりガツンと手応えがあった。
だがそれは魚ではなく木の枝だった。
数十回も投げては引き投げては引きを繰り返し、
ルアーを巧みに動かしてるのに、
一匹も釣れない。
1時間ほどして上流で毛針釣をしてた知人が、
俺のいた場所に降りて来た。
彼は小さな鱒の様な魚を3匹ゲットしていた。
地元の人はこんな小魚は逃すそうだが、
彼は塩焼きにして日本酒で一杯やろうと言った。
グッドアイデアだ。
夕方になってやっと釣れだした。
結局二人で鱒が20匹ほど釣れた。
一番大きい奴が30センチ程もあった。
俺にとっては大漁だ。
ブルックトラウトと言う名の魚だそうだ。
日本の岩魚によく似ている。
魚肌がヌルヌルしてるから同じ鱒の一種だ。
でもニューヨーク州には、
禁猟区とか禁漁期間はないのだろうか?
彼に聞いたら知らないと言った。
今まで誰にも怒られた事がないから、
たぶん良いんじゃねーの?
と言った。
彼は奥さんと二人暮らしだ。
息子が一人いるが、
もう結婚して他州で働いている。
俺は彼に聞いた。
なぜこんな田舎に住もうと思ったんだ?
なぜ普通の在米日本人の様に、
日本に帰らないんだ?
暇で暇で気が狂わないのか?
彼は笑っていた。
俺は絶対に無理だ。
NYCから出るのはまっぴらゴメンだ。
彼の奥さんも、
ここに来て1週間で飽きたそうだ。
離婚する日も近いかもな…。
彼はニヤニヤしてそう言った。
プファー( ´Д`)y━・~~ (笑)
嗚呼、
今日も元気で葉っぱが美味い!!!
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