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※2024.12.03
ニッポンドットコム
パワハラ問題や告発文書問題で県議会の不信任決議を受けた斎藤元彦氏が、事前予想を覆して再選した11月の兵庫県知事選。SNSと動画を通じた支援が拡大した選挙戦の中、県内22人の市長は対立する候補の元尼崎市長・稲村和美氏を支援する声明を発表した。その呼びかけ人のひとり、川西市の越田謙治郎市長に、激しく揺れ動いた世論をどう感じたのか、振り返ってもらった。
混乱収拾へ 欠かせぬ知事の説明
─知事選の後も、斎藤さんとPR会社経営者の関係を巡り公選法違反(買収、被買収)の疑いがあるとして刑事告発が行われるなど、混乱が続いています。現状をどうみていますか。
「公選法違反関係の詳細は私には分かりませんが、斎藤さんはPR会社経営者との契約などについて『公職選挙法などに違反することはないと認識している』と発言し、細かな対応を代理人弁護士に任せています。私は斎藤さんに対し、何が起こっていたのかを自らの言葉で県民に対し具体的に説明してほしいと思っています。PR会社の行為に問題が無かったということを、ひとつひとつ説明すればこの騒動は収まるはずです。逆にそれができるのは、本人しかいないでしょう」
─越田さんは、投開票日3日前に他の県内21人の市長とともに、斎藤さんの対立候補、稲村さんを支援する声明を発表しました。一方、選挙後は、落選した稲村さんを推した市長に関係改善の動きもあります。2期目の斎藤県政とどう向き合っていきますか。
「激しかった選挙戦が最終的に県政の分断ではなく、次につながった、と言えるものにしなくてはならないと思います。選挙の勝敗によって、地方の政策が優遇されたり冷遇されたりということはあってはならない。私自身は明確に稲村さんを支援しましたが、22人の市長はそれぞれ斎藤さんに対する距離の取り方は違います。県と市という行政体同士は、一緒にやらなくてはならないことが山積しており、県民や市民のために連携していくことが重要。22人は、選挙後は県民の選択を受け止め、知事と共にベストを尽くしていこうという立場でも共通しています。今回の知事選は多くの方が選挙や政治に関心を持ち、投票率も上がったというプラスの効果もありました。市長、町長と知事との対話の場が既に行われており、市民や県民が幸せになることを第一に一緒に取り組んでいきたいです」
虚偽含むSNS書き込み 対応苦慮
─越田さんたち22人の市長が声明を発表したのは、世論調査で先行していた稲村さんに対する斎藤さんの猛追が報じられた時期です。なぜ、どんな目的で声明を出したのでしょうか。
「当時は、国会議員など立場表明する人が増えていました。各市長にはそれぞれ思いはあったと思いますが、私は既に稲村さんを支援していたので他の市長から声がかかりました。そして『呼びかけ人』の1人として県東部の阪神間地域の市長の意向を確認する役を担いました。声明の目的は3つです。まず、さまざまな情報が飛び交う中、自分たちが認識している『真実に近いこと』を説明すること、そして、SNSなどで、実際にあったことすら無かったことになっていることへの危機感を表明すること、最後に亡くなった県幹部のプライベートな話の拡散を止めることです。その上で、県政の混乱に終止符を打つには稲村さんの当選が必要だと説明しました。政治家として、市民への判断材料を示したつもりです」
─選挙直後、越田さんのSNSは、稲村さんを支援した行動に関する批判のメッセージであふれました。
「私のXアカウントには、『負けた側なのだから責任を取って辞めろ』などと書き込まれています。ただ、誰かを政治的に応援すると直ちに攻撃するのはまっとうな民主主義にはそぐわないでしょう。自由で寛容な言論空間で熟議によって意思決定する、あるべき民主主義とは違う形に進みつつある危険性に今、私たちは向き合っているのではないでしょうか」
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