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老子に関する奇説
K先生は教場の黒板へ粗末な富士山の絵を描いて、その麓に一匹の亀を這はわせ、
そうして富士の頂上の少し下の方に一羽の鶴をかきそえた。
それから、富士の頂近く水平に一線を劃しておいて、さてこういう説明をしたそうである。
「孔子の教えではここにこういう天井がある。それで麓の亀もよちよち登って行けばいつかは鶴と同じ高さまで登れる。
しかしこの天井を取払うと鶴はたちまち冲天(ちゅうてん)に舞上がる。
すると亀はもうとても追付く望みはないとばかりやけくそになって、呑めや唄えで下界のどん底に止まる。
その天井を取払ったのが老子の教えである」というのである。
何のことだかちっとも分からない。
しかし、この分からない話を聞いたとき、
何となく孔子の教えよりは老子の教えの方が段ちがいに上等で本当のものではないかという疑いを起したのは事実であった。
富士山の