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「You kill me」「ウワアァァァァ~~~ッ!!」「ウオオオォォゥーーーーーーッ!」─法廷に響き渡る絶叫。2023年7月に札幌市の繁華街・ススキノのホテルで男性の遺体が見つかり、親子3人が逮捕された事件で、10月1日、死体遺棄ほう助と死体損壊ほう助の罪に問われた母親の無職・田村浩子被告(61)の第4回公判が札幌地裁で行われた。この日、娘の田村瑠奈被告(30)が父親の精神科医・田村修被告(60)を大声で罵る音声などが弁護側の証拠として提出された。瑠奈被告の肉声が法廷で再生されるのは、この日が初めて。
これまでの経緯を裁判担当記者が解説する。
「娘の瑠奈被告は昨年7月1日深夜に、ススキノのホテルで男性を殺害して頭部を切断しました。そして自宅に頭部を持ち帰りましたが、母親の浩子被告は、瑠奈被告が男性の頭部を自宅に隠すのを容認したこと(死体遺棄ほう助)と、瑠奈被告が頭部を損壊する際のビデオ撮影を求められ、夫の修被告に撮影を依頼するなどして手助けをした(死体損壊ほう助)ことが罪に問われています。
浩子被告の弁護人は、無罪を主張しています。頭部を損壊することなど知らず、事件はいずれも娘の瑠奈被告が主導して行っており、異常な家庭環境だったことを示す方針です」(裁判担当記者)
丁寧なお辞儀に始まり、流された絶叫音声
10月1日、法廷に現れた浩子被告は、白髪混じりの髪を後ろでひとつにまとめ、濃いグレーのアンサンブルでロングスカートという服装だった。メガネをかけて、入廷時には丁寧にお辞儀をしていた。
弁護側の証拠として法廷で再生された音声は、弁護人によると、もともとは「精神科医に診てもらうために修が録音していたデータ」で、60時間以上あるものを7分程度に編集したものだという。裁判を傍聴したジャーナリストの高橋ユキ氏が語る。
「これまでの公判で、弁護側は、『瑠奈被告は複数の人格が入り込んでいるという“ゾンビ妄想”を抱えている』と主張しています。5~6人の魂を持っており、『シンシア』や『ルルー』などと名乗っていたといいます。そのためでしょうか、音声データの中で瑠奈被告は、『I want to kill you』など頻繁に英語を口にしていました。大声だったり泣き叫んでいたりするので、もはや聞き取りにくい部分もありましたが……。
“瑠奈被告は修被告が自分の要求に従わないことに不満を持っている”のような説明とともに再生された2022年12月4日22時頃の音声データでは、瑠奈被告が『I want you follow my order(私の命令に従え)』と言っていました」(高橋ユキ氏、以下同)
2023年1月22日23時頃に録音された音声データは、傍聴人たちを特にギョッとさせた。「テメーよ! とっとと消えろ!!!!」「ちょっとでも力をつけて、テメェら殺してやる! ずっとそう思って生き延びたんだよ!!!」「あんたの責任は、あんたが首絞めて……。それもできないくせに、腰抜け!」とまくし立てる瑠奈被告。修被告の「まず明日(精神科に)行って、そのレベルだとうちで対応できないと……」という言葉を遮り、「ウゥゥ~~~ッ!!!!!」と絶叫。その後も時折「ウォォォーーーーーッッ!!!」と叫びながら、何事かぶつぶつと呟いていた。
修被告が英語で話す場面もあった。修被告が「I don’t kill any(私は誰も殺しません)」と言うと、瑠奈被告は、「so what?(だから何)」と返し、またも絶叫。モニターに表示された補足説明によると、「私が殺す、お前が殺す、どっちを選ぶか」と英語で2択を迫っていたらしい。
誰も殺さないという修被告に対して、「ノ~~~ゥ!!!」と連呼していたが、「妹を殺して……。その責任も取らないくせに。とっととやんなさいよ」と途中でいきなり日本語になった。
修被告が「それはしません」と言うと、瑠奈被告は「とっとと売れやクソアマを! いつ売るの! イマッ!!!」と怒りをあらわにした。それでも修被告は「それはしません」と繰り返して、瑠奈被告は、「お前がさあ、妹を殺してさあ、唯一の、唯一の味方だった私が、妹と一緒にさあ! ねぇ! ねえ!!!」などと叫び続けた。
田村一家に次女はいないはずだ。この“妹”とは何者なのか。
「瑠奈被告に、実際の妹はいません。ここで言う“妹”とは、瑠奈の魂のことだと思われます。瑠奈被告は、『シンシアという魂が死んだ肉体を借りている。シンシアのほかに複数の人格がいる』という言い方をしていたそうで、瑠奈の魂はすでに死んでいるというのです」
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