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性別適合手術を望まないトランスジェンダーの当事者が、戸籍上の性別を女性から男性に変更することを申し立て、今月7日、岡山家裁津山支部で認められた。そのニュースを引用し、X(旧ツイッター)で「男ですと言ったら男になれる」という誤情報が拡散された。性自認のみで性別変更はできないにもかかわらず、デマが広がったことについて、当事者に思いを聞くとともに、なぜこのような投稿が出回ったのか、識者に見解をたずねた。
「男ですと言ったら男になれる。女ですと言ったら女になれる。どれほど社会を混乱させるのか裁判長は分かってないね。変態は大喜びしているだろうな。」
性別変更を認める家事審判の記事を引用して、2月7日にXにポストされたこの投稿はあっという間に拡散された。性別変更に関しては、性同一性障害特例法が掲げる複数の要件があり、性自認のみで認められることはない。そこに触れない、いわばミスリードだが、2月27日時点で、3300回以上リポストされ、表示回数は143万回を超えた。
性別変更を申し立てていたのは、臼井崇来人(たかきーと)さん(50)=岡山県新庄村。2016年末に同様の申し立てをして、最高裁まで争ったが性別変更は認められなかった。2023年10月、別の申立人の審判で、最高裁が性別適合手術を事実上強制する「生殖能力要件」を違憲で無効と判断したため、2023年12月に改めて性別変更を申し立て。「外観要件」については前回の審判でも過去のホルモン治療により満たすと判断されており、今回の性別変更決定は7年越しの思いが通じる結果となった。
拡散された誤情報について臼井さんは「気にしていない」と前置きした上で、「一瞬、会見で『男ですと言ったら男になれる。女ですと言ったら女になれる』と、自分が言ったのかなと考えた。もしそう言ったのなら、自分の考えとして、批判を受けて立たないといけないと感じた」と話す。
投稿には「女ですと言ったら女湯に入れるの?」というコメントが付いていた。臼井さんは「コメントをする人たちの気持ちも分かるし、そういう問題提起も含めて考えていかなければならない」と語った。
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山陽新聞 2024/02/27
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