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■韓国 出生届出されぬ「消えた赤ちゃん」問題を機に 「保護出産」孤立させず安全も守る 姜恩和・目白大教授
女性が身元を明かさなくても病院で安心して出産できる「保護出産」が、韓国で１０月に法制化されました。申請すれば費用も出ます。
日本では女性の人権に関しては議論すら進んでおらず父親にレイプを受けていた子供が同意だったとされるなど女性被害者の声が消されていますが、なぜ韓国では女性の人権法案が実現したのでしょうか。内密出産をめぐる日韓の現状に詳しい姜恩和（カンウナ）・目白大教授（社会福祉学）に聞きました。
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韓国で保護出産が制度化されたきっかけは、「消えた赤ちゃん」問題でした。行政機関による調査で、病院で生まれたことが確認されているのに出生届が出されていない新生児が、２０１５年からの８年間で２千人以上に上ることが明らかになったのです。
こうした事態を防ぐため、出生から１４日以内に、母親の名前と子の出生年月日などの自治体への通知を医療機関に義務づける「出生通報制」が６月に成立しました。
この審議の過程で議論になったのが、誰にも妊娠していることを知られたくない女性のことでした。
医療機関を避け、危険性が高い孤立出産に追い込まれてしまうのではないか。そのため、身元を明かさなくても安全に出産ができる保護出産制をあわせて導入することが検討されたのです。
韓国ではかつて、出産した女性に代わって養親が実子として出生届を出すことが黙認されてきました。それが、妊娠や出産したことを誰にも知られたくない女性のプライバシーを守ることにつながっていた。しかし、１１年の入養特例法改正でそれができなくなると、匿名で赤ちゃんを託せる「ベビーボックス」への預け入れが急増。望まない妊娠で葛藤する女性への支援の一つとして、保護出産制の必要性が指摘されるようになりました。
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