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「ダさいたま」上等! 40年ぶり意識調査で見えた県民の埼玉愛 識者は「ダサい」ブランド化のススメ
埼玉県は本当に「ダさいたま」なのか。
公開中の映画「翔(と)んで埼玉」続編が話題となる中、県広報紙「彩の国だより」は1日発行の12月号で、県にまつわるイメージについて募った意見を特集した。「ダさいたま」が流行語となっていた1983年に行った企画のリバイバルで、歳月を経ての県民意識の変化が浮かんだ。(飯塚大輝)
◆昔は怒りや悲しみ、今や「翔んで埼玉」を余裕で笑える
「修学旅行先の関西で『埼玉帰れ』と言われ『埼玉というだけで』と、とても悔しかった」(15歳)。40年前の広報紙には悲痛な経験談が並ぶ。投稿した67人中、60人が埼玉は「ダサい」と回答していた。
「ダさいたま」に怒りや悲しみを覚えるという意見が目立った前回の企画から40年。投稿は10倍以上の約800に上った。「ダさいたまは昔の話。『翔んで埼玉』を余裕で笑えるのは埼玉発展の証しだ」(63歳)と自信が感じられる内容の投稿が少なくない。
「ダサい」「ダサくない」は3割ずつで拮抗(きっこう)。「ダサい」と答えていても「ダサくていい!」(17歳)「『ダサイ玉』上等です!」(59歳)など、ネガティブなイメージを受け入れた上で埼玉愛を叫ぶ投稿が目立った。「何もないのがほっとする。埼玉だけの豊かさがある」(37歳)。住みやすさや子育てのしやすさを評価する意見も多かった。
県の姿について、肯定的な意見が増えたことには裏付けがある。本年度の県世論調査では61.7%が県を「魅力的」と回答。レジャー施設や特産品、歴史などに魅力を感じる人は2割を切ったが、住みやすさや利便性を挙げる人は6割を超えた。民間の都道府県魅力度ランキングでも、県は3年連続で45位に沈むが、教育・子育てのイメージは3年連続で1位だった。
大野元裕知事は11月の定例会見で「『ダさいたま』と言われて気持ち良いことはない」と言いつつも「『ダサい』のゆえんが埼玉県の寛容さだとすれば『ダさいたま』上等だ」と述べた。県をディスり(けなし)続ける「翔んで埼玉」にも「3作目、4作目と続けてほしい」とさらなる続編の制作にラブコールを送る余裕を見せた。
◆映画で話題の今こそ、ポジティブ転換の時
埼玉県は「ダさいたま」のイメージとどう向きあうべきなのか。地域ブランド戦略について研究する関東学院大の牧瀬稔教授(自治体政策学)は「住民共通の話題を抱えている都道府県はほとんどない。一種のブランドとして利用するべきだ」と提案する。
牧瀬教授が手本に挙げるのは、香川県。2011年に「うどん県」への改名を宣言する架空の記者会見動画を制作したり、知事の名刺に「うどん県」の文字を入れたりするなどの取り組みを進めて、蔑称にもなりかねなかった愛称を定着させた。
「ダさいたま」については「埼玉県外の一部の人は蔑称と捉えているが、県民はすでに慣れ、愛着を感じる人もいるのでは」と指摘。「『ダさいたま』のおかげで映画までできた。注目が集まる今こそ『ダさいたま』を入り口に県のファンを増やし、『ダサい』という言葉の意味をポジティブに転換することを目指すべきだ」と話した。
東京新聞 2023年12月5日 06時00
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