23/08/08 11:53:10.87 gLNYe5Dh0.net
>>318
続
大塩平八郎の乱『檄文』4
上層部は、勝手気ままな布令を出して、大坂の有閑層ばかりを優遇している。彼らは道徳も仁義もわきまえぬ情けない連中である。
全国の3つの都の豪商たちの中でも、大坂の金持ち、商人たちはとくに酷い。
彼らは、以前から大名たちに金を貸し付けていて、その利子として莫大な金銀や扶持米をかすめ取ってきた。
彼らはこの時勢にかつてないほどの裕福な暮らしをしている。
彼らはそもそも低い町民の身分でありながら、位の高い武家屋敷の重要な役目の人間としての待遇を受け、
おびただしい旧来の田畑と新田を我が物にして、なに不自由のない生活をおくっている。
目の前で起こっている天災や天罰を見ても畏れ入ることもなく、餓死寸前の貧民や乞食を救おうともせず、
山海の珍味を食し、妾宅に入り浸たり、揚屋や茶屋に高位の武家の家来たちを招待して、高価な酒を湯水のごとく飲んでいる。
多くの人々が難渋しているのに、絹の着物を着て、芝居の役者や芸子たちを引き連れて、世の中が平穏であるかのように、
つまり、危機状態にあることを知らぬげに、歓楽にふけっている。
なんたることか。これでは、昔、紂王が連夜、酒宴を催していたという故事そのものではないか。