23/01/18 17:47:29.13 M/lAnoQy9.net
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のパンデミック初期、日本では十分なPCR検査体制が整備されておらず、
クラスター対策として検査対象を有症状者と濃厚接触者などに限定したため、無症状感染の実態は明らかでなかった。
自治医科大学臨床薬理学准教授の相澤健一氏らは、2021年2~12月に無症状の一般人口を対象に行われた大規模モニタリング検査のデータを用いて横断研究を実施。
流行第四~五波におけるSARS-CoV-2の無症状感染および流行の動向を明らかにしたとJAMA Netw Open(2022; 5: e2247704)に発表した。
SARS-CoV-2の感染拡大を抑制するには、有症状者と濃厚接触者だけでなく、気付かないうちに他人を感染させてしまう無症状感染者への対策が不可欠である。
しかしSARS-CoV-2パンデミック初期には、無症状者に対するPCR検査は陽性率(事前確率)が低く偽陽性者が続出するとの誤解や、
PCR検査体制が整備されていないなどの理由から積極的な集団検査が控えられたため、無症状感染の実態は明らかでなかった。
そこで相澤氏らは、政府が2021年2~12月に無症状の一般人口を対象に実施した「感染拡大の予兆の早期探知のためのモニタリング検査」のデータを解析。
2021年3月第4週~9月第4週における無症状感染の実態を検討する横断研究を行った。
解析の結果、無症状陽性率はCOVID-19新規患者数と高い相関関係を示した。
この相関は第四波で顕著で、第五波ではやや乖離が見られた(図1-上)。陽性率はワクチン未接種者で高く、接種回数が増えるほど低下したことから(図1-下)、
第五波で流行の主体が感染力の強いデルタ株に移行したことやワクチン接種率の上昇に伴う感染者減少の影響が考えられた。
図1. 無症状陽性率と有症状患者数との相関(上)、ワクチン接種回数別に見た無症状陽性率(下)
URLリンク(medical-tribune.co.jp)
年齢層別に見ると、第四波、第五波とも20歳未満や20歳代の若年層で無症状陽性率が高く、第五波では20歳未満が顕著に高かった。
ワクチン接種の開始時期が遅かった若年層では接種率が低く、先述の通り接種率と陽性率には反比例の関係が見られたことから、ワクチン接種による無症状感染の抑制が示された。
URLリンク(medical.jiji.com)