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藤井涼 (編集部) 藤川理絵2022年08月09日 08時30分
アフリカのルワンダなどで、固定翼型ドローンを使って、病院向けに輸血用血液製剤などを配送している「Zipline(ジップライン)」。カタパルトから勢いよく発射される離陸の瞬間や、ワイヤーを使ってキャッチするドローンの回収方法がユニークであることで知られているが、このZiplineが2022年に日本に初上陸していることをご存知だろうか。
ルワンダでは1年365日、各地の病院から依頼がくると、ドローンが血液パック(輸血用血液製剤)を積んで病院へ飛び立っていく。病院上空に到着すると、血液パックを入れた箱を空から投下して、パラシュートでゆっくり安全に地上へ届けている。
CNET Japanは2020年に、ルワンダから現地レポートをお届けしたが、今回は長崎県五島市で始まった、医療用医薬品B2Bドローン配送事業を現地取材した。フライトの手順、発射や着陸の仕組み、施設設備の構成など、Ziplineから日本に“移植”された最新技術を紐解く。
Ziplineが「日本」にやってきた理由--初の技術提供も
Ziplineは米国発のスタートアップで、アフリカのルワンダとガーナなどを拠点に事業を展開している。日本とのつながりは2018年6月、豊田通商が事業会社としては初めてZiplineへ出資したことに遡る。
実は、Ziplineが2019年にガーナへ進出した際も、ガーナに医薬品卸の関連会社を持っている豊田通商のグループ会社が、協業を行っていたという。Ziplineはガーナにおいても血液製剤のほか、医療用医薬品やワクチンを配送している。
日本では同じころ、中山間地域や離島地域の物流課題が顕在化し、ドローンを活用して解決を図る実証が各地で始まっていた。なかでも五島市は、2018年度から「五島市ドローンi-Landプロジェクト」として、ドローン物流の実証事業を実施しており、豊田通商はここに着目したという。
2021年3月30日、豊田通商とZiplineは、日本市場でのドローン物流サービスの社会実装を目的とした戦略業務提携契約を締結。4月1日、豊田通商は100%子会社「そらいいな」を設立した。
さらに2022年4月21日、そらいいなはドローン発着拠点を竣工。5月には、そらいいなが、Ziplineの技術と機体を用いて、また五島市に拠点を置く医薬品卸会社からの委託を受けて、五島列島の医療機関や薬局へ医療用医薬品をドローンで配送する座組みでサービスを開始した。これは、Ziplineが他社に技術提供する初のケースとなった。
2022年8月1日現在の飛行回数は150回以上、飛行距離は5800km以上(試験飛行も含む)。五島市がある福江島に、Ziplineの技術を移植した設備をつくり、福江島の二次離島である奈留島へ医療用医薬品を届けているほか、五島列島で2番目に人口の多い新上五島町への試験飛行も開始しているという。
注目のフライトと飛行手順
URLリンク(japan.cnet.com)
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