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夏の参院選に向け、自民党へ批判の声を強める松井一郎・日本維新の会代表だが…(写真・時事通信)
松井一郎氏、所属議員の「経歴詐称」問題に「1回でも報酬を得たのなら非常勤講師」…「身内に甘い」「非常識講師」と非難の嵐
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「講師として、報酬を払っていただいてた講師でしょ。それは常勤ではないのはたしかなんでね。非常勤の講師だという風にとらえてますけど」
5月11日、日本維新の会の松井一郎代表は、大阪市役所での囲み取材でこう答えた。
2019年参院選の選挙公報の経歴に虚偽の疑いがあるとして、刑事告発された党所属の岬麻紀衆院議員について、記者から「たとえば頻度が1回とか2回とか、そういう頻度であったら講師として認められるのか、それとも、臨時的に報酬をいただいて講演しにいった(ことになる)のか」と聞かれての回答だ。
岬氏は参院選出馬の際、選挙公報に記載していた「亜細亜大学非常勤講師」の経歴について、虚偽の疑いがあるとして、公選法違反容疑で名古屋地検に刑事告発されている。5月9日に松井代表は、経歴詐称があれば「いっさい擁護することはないので辞めてもらう」と語っていた。それが、報酬を得ていれば、「非常勤の講師」という見解を示したものだ。
この発言を、多くのメディアは問題視しなかった。ただ、この発言部分の動画が5月13日にツイッターにアップされると、松井氏の見解を批判する声がネット上であふれた。
《そんなアホな。さすが身内には大甘やな、維新は》
《非常識講師やろ、それ》
《報酬を得て大学で講義したことは私も幾度かありますが、とてもじゃないですが、非常勤講師などと名乗ることはできません。針小棒大どころか、それは虚偽といいます。それが普通の「民間の感覚」ですよ》
弁護士でもある衆議院議員の米山隆一氏は、こう話す。
「非常識ですよね。違法かといわれると違法じゃないかもしれませんが、経歴を盛っていたことは間違いないわけですよね。ネット上でも出ているように、エキストラをやったら俳優なのか、1日署長をやったら元警察官なのか、1日でも勤めたら勤務歴になるのか、という話になってしまいます。意図的に経歴を盛ったことなんだから。まず代表が、『正しくはありませんでした』と謝るべきですよ」
2019年の参院選で、日本維新の会とともに岬氏を「共同公認」していた地域政党「減税日本」代表の河村たかし名古屋市長は、5月13日、名古屋市で記者会見を開き、岬氏の経歴をめぐる調査結果を発表。その中で河村氏は「虚偽だったと思う」と指摘している。亜細亜大からは「非常勤講師として委嘱した記録は見当たらない」との回答を得たことを明かし、「外部講師と非常勤講師は違うと、大学側が断言している。間違えました、で済むのか。ちゃんと本人が確認するべきだろう」と批判した。
「こんな対応では、自民党の茂木敏充幹事長から『(維新は)身内に甘い党』と言われるのも当然ですよ。身内に甘いだけでなく、党の代表として、間違いを認めないあり方は、批判されても仕方がないですよね。党としても謝るべき。それを回避するのは、代表としての自分の責任も回避しているわけで、自分にも甘いといわざるをえません」(米山氏)
細田博之衆院議長が、国会議員の定数について「1人当たり月額100万円未満であるような手取り。多少、増やしても罰は当たらない」と発言したことについて、松井氏は「世の中の感覚とずれまくっている」と批判している。自身の「世の中の感覚」は、はたしてずれていない、といえるのだろうか。