22/05/14 21:18:30 0GkvsGb/0.net
オーストリア出身のハイエク氏は1920年代に起こったインフレにおいて街の様子がどうなったかを描写している。
ウィーンの中心街では多くの有名なカフェが街角の一等地から追い出され、銀行の新しい事務所が取って代わった。
こうした政府による資金投下バブルで一番に利益を得るのはいつも金融業である。金融など一部の分野がバブルで先に得をし、他の業種を追い出してゆく。先進国政府が何年も紙幣を刷り続けた結果、富の不均衡が起こり、アメリカでは暴動に発展している。
しかしインフレになったことで銀行業が飲食店より経済的に重要になったという事実はない。
それでも紙幣印刷によって膨張した貨幣量は経済に一様には注ぎ込まれず、一部の業種にバブルを引き起こしてゆく。
しかし例えばハイエク氏の例では不必要に増やされた銀行の職員は長期的には必要ではなくなってゆく。
ハイエク氏はそのインフレの時代の顛末をこう語っている。
銀行が事業を縮小するか倒産しなければならなくなり、何千人もの銀行員が失業者の行列を作った時代を過ぎ去るとカフェは戻ってきた。
しかし本来はカフェの従業員は一等地から追い出されて失業する必要はなかったし、大量の新しい銀行員がその後失業者の列となる必要もなかった。これがインフレ政策による長期的失業の増加である。