22/03/08 22:49:18.49 at+hfPjg9.net
もう2年近く前になりますが、私はCOVID-19ワクチンに対する期待と懸念を寄せるブログ記事を書きました(→集団免疫とワクチンーCOVID-19抑制へ向けての潮流)。期待はもちろんゲームチェンジャーとして機能するワクチンの登場であり、懸念は安全性に関することです。とくに当時から注目され、期待されていたmRNAワクチンについては、技術的に克服すべき面が多いことを指摘した上で、レトロトランスポジション(レトロポジション)による逆転写や宿主DNAへの組み込みがないことを確かめておくべきと述べました。
現在、日本を含めた世界各国で、ワクチン接種プログラムが進められ、そのなかでもファイザー/ビオンテックのmRNAワクチンBNT162b2が主流となっています。ワクチン推しの国や医療専門家は、「ヒトには逆転写活性がないのでワクチン-mRNAが宿主DNAに組み込まれることはない」と異口同音に言ってきました。しかし、厳密に言えば逆転写がないとすることは間違いであることを、私はこのブログ上でもSNS上でも何度も指摘してきました。
また、SARS-CoV-2のRNAがレトロポジションでヒトのDNA中に組み込まれることも論文で報告されました [1]。このDNAへの組み込みには、ヒト内在性逆転写酵素である長鎖散在反復配列(Long Interspersed Nuclear Element-1、LINE-1)が関与しています。この結果から、ますますワクチンmRNAがDNAに統合される可能性がないか、調べる必要があると指摘しました(→新型コロナウイルスのRNAがヒトのDNAに組み込まれる)、SARS-CoV-2の遺伝子がヒトDNAと組み込まれることを裏付ける新たな証拠、ヒトのゲノムに組み込まれる?、mRNAワクチン接種は実験的遺伝子治療?)。
今回、スウェーデンの研究チームが、予備的な知見ではありますが、ワクチンmRNAのレトロポジションに繋がるような重要な研究結果を報告しました [2]。発表された論文は、COVID-19ワクチンBNT162b2のmRNAのヒト肝細胞への影響に関する初の in vitro 研究を報告したものであり、BNT162b2-mRNAの細胞内への迅速な侵入と、その後のmRNAのDNAへの細胞内逆転写が起こることを示しています。
このブログでこの論文を紹介したいと思います。まずは以下に論文のアブストラクトを全翻訳して示します。
1. 論文アブストラクト
Intracellular reverse transcription of Pfizer BioNTechCOVID-19 mRNA vaccine BNT162b2 in vitro in human liver cell 1ine by Alden, M. et al. [2].
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ファイザー社とバイオテック社が開発したCOVID-19 mRNAワクチンBNT162b2の前臨床試験では、ワクチン注射を受けた動物に可逆的な肝機能の影響が認められた。さらに、最近の研究では、SARS-CoV-2 RNAが逆転写され、ヒト細胞のゲノムに統合されることが示された。本研究では,BNT162b2がヒト肝細胞株Huh7に及ぼす影響をin vitroで検討した。 Huh7細胞をBNT162b2に暴露し、細胞から抽出したRNAに対して定量PCRを行った。その結果、Huh7細胞においてBNT162b2が高レベルで検出され、内因性逆転写酵素であるlong interspersed nuclear element-1(LINE-1)の遺伝子発現が変化していることが確認された。
BNT162b2を投与したHuh7細胞において、LINE-1 open reading frame-1 RNA-binding protein(ORFp1)に結合する抗体を用いた免疫組織化学的解析により、LINE-1の核内分布が増加することが示された。BNT162b2で処理したHuh7細胞のゲノムDNAをPCRしたところ、BNT162b2特有のDNA配列が増幅された。この結果は、BNT162b2がヒト肝細胞Huh7に速やかに取り込まれ、LINE-1の発現と分布が変化することを示している。また、BNT162b2のmRNAは、BNT162b2曝露後、わずか6時間で細胞内でDNAに逆転写されることも明らかにした。
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以上です。
URLリンク(rplroseus.hatenablog.com)
【新型コロナ】RNAコロナワクチンは細胞内で逆転写される: current issues in molecular biologyに掲載された論文から [かわる★]
スレリンク(newsplus板)