22/02/28 12:33:07.61 9vhxU98Q9.net
2/28(月) 7:00配信
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世間では、感染拡大の「ピークは越えた」と言われているが、まだコロナ病棟に変化はない。もしかすると、これこそが第6波と第5波を比較した際の大きな違いかもしれない。昨年夏の感染拡大では、一気に感染が収束へと向かった。だが、現在の感染拡大の波は高止まりを続ける気配を見せている。
コロナ病棟には平日、土日を問わず1日2~3件の入院依頼がコンスタントに届く。同時に1日2~3人が退院もしくは死亡で病棟を去っていく。結果としてコロナ病棟の病床使用率は5-6割からは減らずに維持している。
高次医療機関である当院、埼玉医科大学総合医療センターへと入院する患者は多くは中等症~重症の患者たちだ。患者の回復はゆっくりでなかなか重症化する患者が減らない。果たしていつになれば波が引いていくのか、見通しが立たない状況だ。
「死因はコロナではない」は本当か
「今、新型コロナで亡くなっているとされる多くの人の死因はコロナではない」。そんな情報が度々拡散されている。だが、これは現場で目の当たりにしている真実ではない。確かに、第6波となり、オミクロン株が主流となる中でコロナによって肺炎が悪化し、シンプルな呼吸不全で亡くなる方の数は減った。
現在は、コロナに感染したことによって腎不全など持病が悪化して亡くなる患者、コロナに感染したことがきっかけでがん治療がストップし、がんが悪化して亡くなっていく患者、コロナは軽快へと向かったものの細菌性肺炎や別の感染症による敗血症を引き起こして亡くなっていく患者など死因は多様化している。
彼らはコロナに感染しなくても、このタイミングで亡くなる運命だったのだろうか?いや、コロナがきっかけで病気が悪化しているのだ。「コロナ感染は、その患者の死と関係ない」という認識は誤りと言わざるを得ない。
コロナ禍においては、現場を見たことがない人々が数字だけを基に何かを語ることも少なくない。「交通事故で亡くなっても、コロナ陽性であればコロナの死亡にカウントされる」「コロナで亡くなっているとされる人の多くは他に死因がある」と主張する人もいるが、
コロナ感染中に事故で亡くなる方や交通事故で搬送されたらコロナ陽性だったと判明する患者はごくわずかの例外的な出来事だ。コロナ病棟で亡くなる患者の死に、少なからずコロナが関連していることは疑いようがない。こうした実態を踏まえずに、憶測で楽観論を振りまくのはデマの拡散に繋がるため控えるべきだろう。
埼玉県内でも、高齢者施設におけるクラスターが多発していると聞く。積極的な治療を希望する高齢者であっても、なかなか受け入れ先が見つからないのが現状だ。コロナ治療の現場に立つ一人の医療者として、こうした状況はまだしばらく続くと予想している。
入院を必要とする高齢患者が増えれば増えるほど、予後の対応も必要となる。コロナの症状が軽快したとしても、介護やリハビリなど必要なケアは少なくない。入院も長期化する傾向にあることから、引き続き医療提供体制は逼迫し続けることが予想される。
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