21/11/28 13:53:46.58 cMm07lOZ9.net
赤信号を無視したオートバイを追跡していたパトカーが住宅の壁に突っ込み、後部座席に乗車していた埼玉県警の佐藤正人警部補(56)が死亡した。
今月19日深夜、越谷署の男性巡査部長(26)が運転するパトカーが市内をパトロール中、信号無視をしたオートバイを確認し、追跡を始めた。約250メートルほど追いかけたところで、オートバイは交差点を右折。続いてパトカーも後を追おうとしたが、曲がり切れず、民家のブロック塀の角に正面から激突した。
パトカーには警察官3人が乗っていて、後部座席にいた佐藤警部補が腹の痛みを訴え、病院に運ばれた。5日後の24日に容体が急変し、死亡。死因は小腸間膜損傷に続発した小腸壊死に起因する敗血症性ショックだった。オートバイはその場から立ち去り、助手席の巡査は軽傷で、運転していた巡査部長にケガはなかった。パトカーの後部座席には衝撃緩和機能付きのシートベルトは付いていなかった。
「スピードがどれくらい出ていたかは調査中です。亡くなった警部補は助手席の後ろに座っていた。乗車していた警察官は皆、防刃衣を身に着け、拳銃や警棒、手錠を吊るす約10センチ幅の帯皮をベルトの上に巻き、その上からシートベルトを着用していました」(捜査事情通)
今年4月には京都市北区で大学生4人が乗った車が対向車線にはみ出し、トラックと正面衝突する事故があった。エアバッグが作動したため、運転席と助手席の2人は一命を取りとめたが、後部座席でシートベルトをしていた2人は、内臓破裂と頭部損傷で亡くなった。
■誤った着用は危険度アップ
後部座席のシートベルトの着用は2008年に義務付けられた。警察庁の統計によると、昨年1年間の交通事故で後部座席に乗車していて亡くなったのは87人で、そのうち34人がシートベルトを着用していた。後部座席の方がリスクが高いケースもあるのだ。
国交省安全基準課の担当者がこう言う。
「スペースの問題もあり、後部座席にエアバッグを設置するのは難しい。現在の衝突基準は運転席と助手席だけで、後部座席には明確な基準がありません。自動車メーカー側としてはあえて設置する必要はなく、費用対効果の問題も出てきます。後席中央を含め、全ての車に3点式シートベルトの設置が義務付けられたのは12年以降です。後部座席の衝撃緩和機能付きのシートベルトに関しては、搭載している国産車はまだ少ないというのが実情です」
ただ着用してればいいというわけではない。正しい位置でつけないと胸を打ったり、腹部に食い込んで臓器が損傷する危険性がある。
「体を斜めにせず、正しい姿勢でシートに深く腰かけます。肩ベルトは首にかからないようにして、たるんだり、ねじれないようにします。体を前に乗り出したり、後ろを向いたままの姿勢は危険です。特にお子さんには注意して下さい。欧州の基準に合わせるために大きなダミーで試験を行っていますが、極端に腹囲が大きい方のデータはありません。基準は50キロで高速走行の試験は行っていないため、スピードやG(重力加速度)のかかり方次第ではさらに危険度が増します」(前出の担当者)
シートベルトで命を守るためには、正しい着用法を知る必要がある。
日刊ゲンダイ 11/28
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