21/10/22 13:17:38.11 uJ4wDHli0.net
>>63
「デマ」の信奉度
回答者は、男性480人、女性520人で、平均年齢は53.6歳であった。回答者の年代の内訳は、日本の年代分布に従うようにデータを収集した。
「デマ」のスコアは、最大24点、最低6点となるわけだが、平均は9.68点だった。スコアの分布は図1のとおりである。
これを見るとわかるように、低スコアのほうに偏った分布をしており、まったく信じていない人が一番多く、デマを強く信じている人は非常に少ないということがわかる。
6つのなかで、一番信じられていたのは「4 ワクチン接種すると死亡リスクが高くなる 」で、一番信じられていなかったのは、「6 ワクチンにはマイクロチップが含まれていて、行動の監視をされるおそれがある」であった。
次に、年代別に「デマ」信奉度を見ると、図2のようになる。これは、「デマ」信奉度スコアをもとに、6つすべて「やや信じる」場合の12点を基準とし、それ以下を「デマを信じない」群、13点以上を「デマを信じる群」と定義して、グラフ化したものである。
つまり、「はっきりとデマを信じている人」「はっきりと信じていない人」の2つのグループに分けて、年代別にその分布を見たものである。40代以下の比較的若い層は、「デマ」を信じている人が比較的多いことがわかる。
どのような人が「デマ」を信じているのか
次に、どのような人たちがデマを信じる傾向にあるのかを調べた。分析において、用いたのは、以下の3種類の変数である。
1 人口学的変数 ー 性別、年齢、教育程度、年収
2 コロナに関する変数 ー コロナに対する不安、政府への信頼感、コロナに関する情報源(新聞、テレビニュース、SNS、YouTube)
3 心理的変数 ー 一般的不安、反科学的態度、疑似科学信奉度
これらを、重回帰分析という方法で分析し、「デマ」信奉度に対するその影響の大きさを調べた。
その結果、性別、教育程度、年収には、有意な関連はなかった。
最も関連が大きかった「ビッグ3」は、「コロナに対する不安」(β=-.074, p=0.00)・「政府への信頼感」(β=-0.32, p=0.00)「YouTube」(β=0.61, p=0.00)であった。これを誤解のないように説明しておくと、最初の2つはマイナスの関連であって、「コロナに対する不安」が小さく、「政府への信頼感」が低い人ほど、「デマ」を信じる傾向にあるということである。そして、コロナに関する情報源としてYouTubeを用いる頻度が高いこともわかった。
これらに次いで関連の大きかったのは、反科学的態度、疑似科学信奉度、一般的不安、年齢であった。反科学的態度というのは、文字通り科学への反感が強い態度である。疑似科学信奉度とは、UFOや超能力など疑似科学やオカルト的なものを信じる態度である。一般的不安というのは、日常的にどの程度不安傾向が高いかを示している。これらの傾向が高いほど、「デマ」を信じる傾向が強かった。年齢については、若年であるほどデマを信じる傾向が強かった。