21/09/17 20:15:03.90 4/z0SrZ40.net
「失礼しま~す」俺は工場長の部屋のドアをノックした。
「おう、入れっ」
「新人が入りまして。ご挨拶に」
「おー、どんな子だい?」
「こちらです」
「伊東と申します」
「・・・・・・・・・女なの?」
工場長の顔がこわばった。こいつは筋金入りのホモだ。
「ええ、まあ」
「ふ~ん・・・」工場長は浮かない顔だ。新人と聞いてウブな若い男を期待したのだろう。
美咲のようなインテリ美女は工場長ともっとも相性の悪いタイプだ。
「あー、えーと、技術部の唯野が矢崎君に用があるって言ってたからそっち行ってくれる」
「わかりました。ではこれで」
技術ヲタクの唯野なら、この新人にぶつけるのに最適な相手だ。鼻っ柱をへし折ってくれるだろう・・・
「あの、できれば私、工場長に新製品のご説明を」
「お、おい・・」俺は慌てた。こいついきなり工場長の逆鱗に触れるつもりか。
「あー、まー、どうしてもっていうなら。じゃあ、矢崎君だけ行ってきてよ」
「・・・・・・・・」心の中で舌打ちしながら俺は工場長の部屋を後にした。