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米疾病対策センター(CDC)は寄生虫の駆虫薬「イベルメクチン」を新型コロナウイルス感染症の治療薬として使用しないように注意を呼びかけた。
26日にイベルメクチンの処方が急増していることを医師や国民に注意喚起する健康上の勧告を出した。
毒物対策センターへの電話相談では、イベルメクチンによる重症者の報告が増えているという。
イベルメクチンは人や家畜の寄生虫の駆除薬として使われる医薬品。
FOXニュースなど保守系メディアは何カ月も前から、新型コロナウイルス感染症の治療薬としてイベルメクチンが使用できる可能性があると伝えていた。
ツイッターでも話題になり、米議会公聴会では「奇跡の薬」と呼ばれ、ロン・ジョンソン上院議員は同感染症の治療にイベルメクチンを使うメリットを説いていた。
CDCによると、普段のイベルメクチンの処方数は週に3600回程度にとどまる。
ところが今年1月8日の週は10倍以上の3万9000回に増加。7月に入ると外来患者のイベルメクチン処方が再び急増し、
8月13日までの1週間で8万8000回を超えた。これはパンデミック前の24倍に上る。
医薬品の価格調査会社GoodRxもイベルメクチンの処方が同様に急増していることを把握している。
同社のデータによれば8月は19年の平均の20倍に達した。
米食品医薬品局(FDA)は新型コロナウイルス感染症の治療にイベルメクチンを使用しないように国民に注意喚起している。
イベルメクチンに関する毒物対策センターへの電話相談も、パンデミック前の3倍に増えている。
感染を防ぎたいと畜牛用のイベルメクチンを服用した大人が9日間の入院を強いられた症例や、
新型コロナウイルス感染の治療のためにインターネットで購入し、1日5錠を5日間飲んで入院した症例もあった。
CDCは医師に対し、新型コロナウイルス感染症の患者に対するイベルメクチンの使用は承認されていないと強調。
臨床試験では、同感染症の治療効果を裏付ける十分な証拠は認められていないとした。実際に効果があるかどうかを見極めるためには、さらなる臨床試験が必要とされている。
過剰に服用すれば胃の障害や神経障害、けいれん、見当識障害などの症状を引き起こし、昏睡(こんすい)状態や死亡に至ることもある。
CDCは新型コロナウイルス感染症の発症や重症化、死亡を防ぐには、治療ではなくワクチン接種が最も安全で効果的な方法だと注意を促している。
URLリンク(www.cnn.co.jp)