21/06/20 11:18:41.08 X0rsm+8J0.net
★音響学会のQ and Aコーナーから
ジェットエンジンの排気音と圧縮機音を比べると、前者は
速度の8乗、後者は速度の6乗に比例するので、高速飛行時は
排気音が、低速時は圧縮機音が卓越します。飛行中、機内で
聞こえる音は、エンジンの排気音と、胴体回りの乱流境界層
からの音で、エンジンの後ろ側の席では前者が、機首に近い
席では後者がよく聞こえます。どちらも乱流から発生する音
なので「ゴー」と聞こえます。旅客機用のジェットエンジン
の排気音は初期の頃に比べると大幅に低下しています。その
理由は、排気音が排気速度の8乗に比例するのに対し、推力
は2乗にしか比例しないという性質を利用して、直径が大き
く、排気速度の小さい、ターボファンエンジンが開発され、
使用されているからです。一方、圧縮機の音は、エンジンの
回転数の6乗に比例するのですが、回転数はそれほど低下し
ておらず、着陸時や、地上滑走時にはまだかなり耳につきま
す。圧縮機は、回転する翼列と静止翼列とが交互に流れ方向
に並んでおり、前後の翼列の干渉により、正弦波的な、「キ
ーン」という音を出します。地上のターミナルの近くでは
エンジン出力は小さいので、排気音はほとんど聞こえず、
圧縮機音が聞こえるのです。着陸態勢に入った飛行機も、
前方に圧縮機音を放射するので、これも「キーン」という
音になります。しかし、地上でも滑走路の近くで離陸する
飛行機の音を聴けば、「ゴー」という排気音が聞こえる
はずです。