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大阪の医療現場からの訴え 今求められる新型コロナ対策
NHKジャーナル 5月19日放送
医療体制がひっ迫しているといわれる大阪の現状、そこから見えてきた必要な対策などについて、日々現場で新型コロナの患者の治療にあたり、大阪府の倭正也医師にお話を伺いました。(聞き手・森田智之ニュースデスク、武田涼介キャスター、菅野真美恵キャスター)
―倭さんがいらっしゃるりんくう総合医療センターでも、同じような状況だったということですよね。
倭： そうですね。４月２日からずっとほぼ満床の状態が続いていました。一時期は100％を超えるような重症病床の運用をしているので。ここ２日、今週に入ってから、若干空いている時間が少し長くなってきたかなという現状です。
―こうした中、大阪では、病院に入ることができずに自宅で亡くなられた方も多くいます。これは、医療がひっ迫しているというのが原因なんでしょうか。
倭： 確かに、われわれ受け手のほうの病床が空いていないということがもちろんありますが、中には報道されていますように、われわれの病院で、例えば外来でPCR検査に来ていただいて、陽性だということで発生届けを保健所に出させていただきます。
その保健所からまた次に患者さんに「連絡があるまでお待ちください」
とお伝えしますが、保健所さんが連絡するまでがなかなか回って来ずに、中には保健所の連絡が回る前に、残念ながらお家で亡くなる方がいらっしゃるという、そういう本当に厳しい状況です。
医療体制、病院のベッドが空いていないことだけではなくて、本当に保健所の業務もかなりひっ迫している。そういったことが悪循環を生んでいるのが、今の大阪の厳しい現状だと思います。
―医療機関のキャパシティの問題以前に保健所の問題ということですか。
倭： そうですね。特に大阪市内は患者さんが本当にあふれかえっておりますので、患者さんに連絡する、入院が必要だとかホテルに行きますとかあるいは自宅療養しますとか、そこまで判断するマンパワーが足りていないというところが大きいです、今の大阪では。