21/06/04 14:05:41.89 JDRf3Xtm0.net
────決起趣意書────
日本が神国だという神髄は、謹みて考察すれば、万世一系の天皇陛下のご統帥のもとで国を挙げて生成発展を遂げて来た八紘一宇を全うする国体にあるといえよう。
このいずこにもない気高く優れた国体は、生みの親であられる神武天皇の御世から明治維新を経て、ますます発展し、今やさまざまな方向に向け顕著な進展を遂げるべき時を迎えている。
然るにこのところ怪しからぬ輩がぞくぞく出現し、私心やりたい放題で、絶対的に尊ぶべき天皇陛下を軽視し、思い上がって、国民が苦労をしてやっと築き上げてきた生活を台無しにし、甚だしい辛苦の中、外国との関係も日増しにうまく行かなくなる。
いわゆる元老、重臣、軍閥、財閥、官僚、政党などは、こうした国体を破壊する元凶である。
ロンドン海軍条約並びに教育総監更迭の際に起きた統帥権干犯、陛下の軍隊を動かす大権を勝手に行使しようとした三月事件、あるいは学生、共産党、反体制宗教団体が結託して陰謀を巡らしたりすることは、そうした国体破壊の一例だ。
絶対に許すことができない犯罪的な行為で、返り血を浴びざるをえない。
中岡、佐郷屋、捨身で事にあたった血盟団、五・一五事件の憤怒、相沢中佐の突発的義挙、いずれもやむをえざる動機はよく理解できよう。
これまでなんども血で贖う警告を重ねているにも拘らず、不逞の輩は全く反省の色もなく、間に合わせの一時しのぎを重ねている。
ロシア、中国、英国、米国との関係も一触即発で、このままでは、先祖伝来栄えある皇国の歴史を破滅に陥れる結果となることは火を見るより明らかであろう。
内外情勢は重大危機にある。
今こそ国体を破壊する不義不臣をやっつけ、これまで天皇陛下と民との間に障壁を作り、御維新を阻止してきた奸賊を切り除くことを実行しなくては、皇国の前途を空しいものにしてしまうではないか。
第一師団が満洲に出動する大命が下り、これまで維新を一緒に実行することを誓い、国に殉じ、身を捨てて奉公することを願ってきた東京を守る我ら軍人同志は、将に遠く離れた場所に赴く。
顧みて国内の事情に憂いを禁じえない。
陛下のお側にある奸臣軍賊を切り除き、中枢部を粉砕することは我々の責務だ。
天皇陛下の股肱の民として真の姿を示し、栄えあるその道を歩むことなくして、破滅し落ちぶれることを翻すことはできない。
ここに同志は共に決起し、奸賊をやっつけ大義を正しく取り戻し、国体を守り、国体の輝きを発揮するために全知全能を傾ける。
神国日本の国民であることを、微力ながら示したい。
神のご加護のあらんことを祈る。
昭和十一年二月二十六日
陸軍歩兵大尉 野中四郎 他 同志一同