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ロンドン発]英高等教育情報誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は2日、アジア大学ランキングを発表、京都大学が初めてトップ10入りしました。
日本の上位3大学は東京大学6位、京都大学10位、東北大学27位で、3大学とも昨年に比べてランキングを上げています。
アジア大学ランキングに参加したのは昨年の489大学から30カ国・地域の551大学に増えました。
昨年に続き、清華大学と北京大学の中国の大学がトップ2の座を維持し、清華大学は3年連続のトップに輝きました。
トップ30には中国、韓国各8大学、香港5大学、日本3大学、台湾、シンガポール各2大学、イスラエル、サウジアラビア各1大学が入りました。
日本は110大学のうち66大学が昨年より順位を落とし、36大学が同じ順位を維持。
順位を上げたのは8大学のみとなり、苦戦を強いられています。日本のライバルは世界ではなくアジアです。
菅政権は科学技術振興機構(JST)に10兆円規模の大学ファンドを創設して、その運用益で研究大学への長期的な投資を実行する計画です。
狙いは世界トップの研究大学を日本で実現することです。来年早々の運用開始を目指しています。THEのフィル・バティ首席ナレッジ・オフィサーは筆者にこう語りました。
「日本には素晴らしい学術的に卓越した文化があり、非常に多くのノーベル賞受賞者を輩出してきました。
しかし過去数十年にわたって資金不足に苦しんできました。
日本の大学には中国や韓国と同じように資金が注ぎ込まれていません。そのため10兆円ファンドは非常に有効で、建設的だと思います」
「しかし、もっと簡単で最も有効な方法は、国境を越えてアイデアを共有し、お互いに学び合える国際協力を進めることです。
問題に対する異なる文化的アプローチや見方を共有できるようになれば、研究にさらに大きな力を与えます。
日本は少子高齢化という問題を抱えており、技術を持ち、才能に恵まれた海外の人材とその知識が必要です」
「それらが次世代の研究者や教授を育て、日本の大学の繁栄が継続することを約束するのです。
もちろんおカネも重要ですが、国際協力は非常にパワフルなツールになります。
世界大学ランキングのトップを占めるのはアメリカやイギリスの大学ですが、才能があってもおカネがないので大学に行けないという格差が大きな問題になってきました」
「コロナ後は大学は個人のためではなく公益のために存在すると考える必要があるように思います。
市場主義が行き過ぎたアメリカやイギリスの大学ではなく、より公平なドイツやオランダのような大学のシステムが見直されるようになるのではないでしょうか。
大学は競争より協力しなければパンデミックや気候変動のような問題を解決できません」
アジア大学ランキングは教育力25%、研究力30%、論文被引用数30%、国際性7.5%、
産業界からの収入7.5%の5分野からのデータが分析され、それぞれのスコアを算出し順位付けが行われています。
(おわり)
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アジア大学ランキング(1~34位)
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