21/05/09 09:14:39.67 swaz3aej0.net
URLリンク(gendai.ismedia.jp)
「自分たちだけが知っている」ことが評価されない
——ほかにもオタク文化とギャル・ギャル男文化で共通していると感じる点はありますか。
大倉 コアにいる人たちは減って、消費がより簡単なもの、共有しやすいものにシフトしている点は似ていますよね。
荒井 ひとつの文化に「生き方」としてコミットする人が多かった時代が終わったのかもしれないですね。そもそもかつては時代の先端をいく若者サブカルチャーにコミットできて新しいモノや情報を得られるのは、比較的家の収入が高くて自由にお金が使える、学歴もある程度以上ある若者に限られていました。そうでないとたとえば海外から最新のものを持ってきたり、何かを集めることができなかった。「持てる者」が最先端を独占していて、イケてる連中はほかの人たちが注目し始めると離れていくものでした。でも今はそういう文化が流行らない。「俺たちだけが知ってる」とか「自分だけが持ってる」が評価されない。SNS上での高く数値化されうる評価が重要なので、メジャーなネタが評価されるようになっています。
たとえば僕たちの時代なら高級なブランド品が象徴的な価値を持ちました。今も歌舞伎町なんかではその価値観は生きているのかもしれませんが、基本的にはマスな大衆からも評価されないと自己承認欲求が満たされなくなっている。2010年くらいからハイブランドをこれ見よがしに持っていると引かれたり、「イキってる」と言われたりする傾向が強まって、ギャルメディアでも安いプチプラを上手に使っているほうが評価が上がるようになりました。
大倉 オタク文化でもマニアックなものの所有や情報を独占している人間が優位であるという満足の仕方は成立しづらいですね。かつては都市部のマニアショップでしか買えないコアな漫画に詳しいといったような「人が知らないことを知っている/持っている」ほうがすごいとか、新宿や池袋のゲーセンでトップになったら全国的に注目されるといったことがありましたが、今はなかなか成立しない。