21/03/05 15:43:06.02 HYSH0C4z9.net
3月4日は「国際HPV啓発デー」。HPVとはヒトパピローマウイルスのことで、子宮頸がんの原因でもある。
同日放送の『おはよう日本』（NHK総合）では、子宮頸がん等を予防するHPVワクチンを特集した。
日本産婦人科学会ホームページによると日本では年間約1万人が子宮頸がんに罹患し、3000人近くが亡くなっている。
HPVワクチンは子宮頸がんを防ぐ有効な手段であるものの、日本の接種率は海外と比べて非常に低い。
接種率の低さの背景には、ワクチンの副反応への恐れがある。
2009年に子宮頸がんのワクチン接種が始まり、2013年には定期接種が開始されたものの、
副反応に関し多数の報道があり、厚生労働省は積極的接種勧奨を差し止めた。
番組が取材した産婦人科医の稲葉可奈子氏は、「みんパピ！みんなで知ろうHPVプロジェクト」の代表理事でもあり、
子宮頸がん予防の啓発活動を行っている。稲葉氏は日々の診察の中で「ワクチンの情報が行き届いていない」と感じているとのこと。
一方、2013年に副反応に関する報道が多数されたことについては＜（薬害について）考えないといけなかったと思うので、
報道自体は間違っていなかったと今でも思っている＞と意見を述べた。
しかし＜その後に科学的に検証されて“（HPVワクチンと副反応の）因果関係が証明されない”という研究結果が日本からだけでなく世界中から出た＞
と副反応報道後の研究結果が知られていないことに言及し、＜まずは知ってもらうことがとにかく大事 “みんなで知ろう”という活動を始めた＞と思いを語っている。
なお、厚生労働省のホームページには副反応について＜発熱や接種した部位の痛みや腫れ、
注射による痛み、恐怖、興奮などをきっかけとした失神などが挙げられます＞と書かれている。
また、HPVワクチンと副反応の因果関係についても、以下のように説明されている。
＜HPVワクチンの接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の「多様な症状」を有する方が一定数存在したことが明らかとなっています＞
＜このような「多様な症状」の報告を受け、様々な調査研究が行われていますが、「ワクチン接種との因果関係がある」という証明はされていません＞
イギリスでHPVの研究を行う江川長靖氏は、番組の取材に対して＜この1年間の1番のトピックとしていえば、
実際ワクチンを打った人たちの中で本当にがんが減るという実際の証拠が出始めた＞と話す。
2020年10月に発表されたスウェーデンの研究結果によると、2006年から12年間で167万人の女性を追跡調査したところ、
17歳までにワクチンを接種した場合は、88％リスクが減少、17歳～30歳で接種した場合は、53％リスクが減少している。
江川氏は＜HPVワクチンが、がんを減らすことができるというのを確信を持って言うことができる状態になってきたっていうのが今の現状です。
みんなに伝わってないのが一番の問題で、どうにかしたいと思っている＞ともコメント。
番組への視聴者からの反響は大きく、Twitter上では「HPVワクチンについてもっと報道してほしい」
「“受けよう”ではなく、“知ろう”というスタンスなのがよかった」といったの感想や、「娘に打たせようか迷っている」と悩んでいる保護者の声も見られた。
HPVワクチンの接種は、性交渉を経験する前が望ましいと言われている。小学6年生～高校1年生の女子は定期予防接種の対象だ。
HPVワクチンは3回接種する必要があり、打ち終えるまでに6カ月はかかるため、確実に費用助成を受けるためには、計画的な接種スケジュールを要する。
なお、自費で接種する場合には、計3回で5～6万円ほどかかってしまう。
今まで日本国内で承認されていた2価、4価のワクチンに加え、2021年2月24日より9価のワクチン「シルガード9」の販売が開始された。
9価のワクチンでは、90％以上の子宮頸がんを予防すると考えられているものの、現時点でまだ定期接種とはなっていない。
「打つ」か「打たない」かはあくまで個人の選択だ。しかし、HPVワクチンと副反応の因果関係が証明されていないのにもかかわらず、
報道のイメージのまま「なんとなく怖い」と、選択のための情報が不十分なのは問題である。正確なエビデンスをもとにした報道が広まっていくことを願う。
URLﾘﾝｸ(wezz-y.com)
「みんパピ！みんなで知ろうHPVプロジェクト」ホームページ
URLﾘﾝｸ(minpapi.jp)