20/12/02 21:40:42.16 4Aiham0C0.net
西部邁
資本主義、主義としてのキャピタリズムは、必ず世の中を犯罪者、道徳観の崩壊を大量発生させる制度だと前から思っていた。コレはマルクス派のような意味ではなく、もっと当たり前のこととして言っている。資本は利潤を稼ぐためには、シュンペーターが言ったようにイノベーション、新しい変化を作り続けるというのが基本的なパターン。革新一般に反対するわけじゃないが、限度を超えて広がり始めると、ルールの問題に相当する。ルールには法文や不文の慣習などがある。人間関係や地域社会、家族構成、人間の欲望が音を立てて変わり始めれば、古いルールは変革した状況に対応できなくなる。ルールを作るためには、法律でも時間がかかるし、まして道徳が定着するためには長い時間を必要とする。そこに変革をおこすとルールが不安定化する。その間隙を突くように、法の網や道徳の目をかすめとれると考えるマモニスト、拝金主義者に大きなインセンティブを与える。その結果、世の中は勝ち組/負け組だとなってくる。ルールが不安定化しているから、ルール解釈をめぐって意見が衝突し、法廷に持ち込まれる。アメリカが訴訟社会になっているのはそういう理由がある。