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目が不自由な人向けにスマートフォンで信号の色を音声や振動で伝え道路横断を支援する機器を、警察庁が2021年度に約2000基の信号機に設置する方針を決めた。視覚障害者の横断支援システムは音響式が主流で、今年運用が始まったスマホによる支援機器は3月現在、宮城、千葉、静岡の3県の74カ所しかない。警察庁は約25億円を21年度予算の概算要求に計上。東京都や政令指定都市から整備し、その後、全国に普及させたい考えだ。
警察庁によると、17~19年に起きた視覚障害者の歩行中の交通事故死者は8人、重軽傷者は66人で、うち信号機のある横断歩道での死者は2人、重軽傷者は19人。
◆音響式は全信号機の11・7%
今年3月時点で、「ピヨピヨ」「カッコー」などの誘導音で青信号を知らせる音響式は、全信号機の11・7%に当たる2万4370基が整備されているが、近隣住民の要望でほとんどが夜間・早朝は鳴らない設定で、鳴動時間外での死亡事故も起きている。
新型コロナウイルス感染対策で時差出勤など「新しい生活様式」が広がる中、警察庁の担当者は「時間帯を問わず使えるツール。視覚障害者の安全な道路横断のため、利用可能範囲を広げ普及に努める」としている。
専用のアプリをダウンロードすると、交差点などに取り付けた機器から近距離無線通信「ブルートゥース」でスマホに信号の色などが伝わり、音声や振動で通知される仕組み。一部の交差点で青信号を延長できる機能もある。
◆ナビゲーションアプリと連動も期待
来年3月末までに全国で計約130基に増設予定だが、21年度は大幅に設置場所を増やし、機器も全額国費で賄う方向で調整している。病院や盲学校の周辺など、視覚障害者がよく利用する地域から整備。将来的にはナビゲーションアプリとの連動なども期待されるという。
東京新聞 2020年10月25日 05時50分
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