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新型コロナウイルスの流行が長引く中、東北随一の歓楽街、仙台市青葉区の国分町から撤退する飲食店が徐々に増えている。出張客や接待は減り、団体の宴会需要は消えた。客足の戻りは仙台駅周辺や郊外より悪いとの見方がある一方、「好立地に出店するチャンス」と捉える企業も出ている。
仙台市内を中心に飲食店17店を運営するスタイルスグループ(仙台市)は8月末、居酒屋「石巻港 津田鮮魚店」など国分町の2店を閉めた。
2011年11月にオープンした津田鮮魚店は店内での競りなどユニークなスタイルが人気で、1坪当たりの売上額は系列店の中で長くトップクラスだった。だが、新型コロナで様相は一変。3月の売り上げは前年比で約7割減った。休業を経て再開した6、7月とも3月の売り上げを下回り、閉店を決めた。
佐々木浩史社長(59)は「断続的に発生する新型コロナ感染が『国分町=不安』というイメージを生み、客足が遠のいたのではないか」と悔しがる。
一方、7月に仙台駅前に開いた「みやぎ鮮魚店」と、既存店をリニューアルした「おさかなセンターイチノイチ」の2店は好調だ。佐々木社長は「感染不安から接待を伴う店がある国分町に足は向かない。団体の宴会需要は消滅し、少人数での飲食が主流だ」と分析する。
「感染予防にかかる費用は安くないが、やれることは全てやって収束を待ちたい」。国分町でキャバクラ「クラブ・スフィア」など2店を営む鈴木一弘社長(53)は先日、除菌効果があるとされる光触媒コーティングを店内に施工し、その様子を動画で公開した。
客の約9割を占めていたサラリーマンの利用は激減し、売り上げは前年の5割前後。女性スタッフを半分に減らし、公的支援や金融機関からの借り入れでしのぐ。接待を伴う飲食店を避ける傾向が続き、廃業を検討する同業者は多いが「国分町の明かりを消したくない」の一心だという。
国分町でビルなどを所有・管理する仙台市の酒類卸売・不動産業のカネサ藤原屋と吉岡屋では3月以降、テナントに入居する飲食店数十軒から解約や解約申し込みがそれぞれあった。
立地の良い路面店も閉店が相次ぎ、宮城県内のバーやクラブなど約3000店が加盟する県社交飲食業生活衛生同業組合の担当者は「国分町でここまで路面店の撤退があるのは珍しい」と話す。
こうした状況を「チャンス」と見る経営者もいる。市内で串焼き店「焼きとん大国」7店を展開するエムシス(仙台市)は、4月に閉店した老舗ラーメン店「味よし国分町本店」跡で11月に新店を開く。
滝川真雄社長(41)は「コロナで売り上げや利益は減ったが、これまで欲しくても手に入らなかった物件や人材が得られている」と現状を前向きに受け止める。
河北新報 2020年09月30日 水曜日
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