20/08/17 22:22:25.62 gWnXZl1N0.net
>>366
患者肺における微小血栓と血管新生.COVID-19剖検例7名,インフルエンザA(H1N1) 感染に伴う急性呼吸窮迫症候群剖検例7名,肺移植に使われなかった非感染者10名の肺の病理所見を比較した.COVID-19,およびインフルエンザ患者の肺は,ともに血管周囲のT細胞浸潤を伴うびまん性肺胞障害を呈していたが,さらにCOVID-19肺では以下の3つの特徴的所見を認めた.(1)細胞内ウイルス侵入と細胞膜破壊を伴う高度の血管内皮病変,(2)微小血管障害(microangiopathy)と肺胞毛細血管の閉塞を伴う広範囲の血栓症(インフルエンザの9倍多い;P<0.001),(3)血管新生(インフルエンザの2.7倍多い; P<0.001)
血管新生は発芽(sprouting)ではなく,主に陥入(intussusception)によって生じていた.発芽は微小血管が欠如している組織に内皮細胞が進展するが,陥入は既存の血管の管腔内への間質細胞の列の挿入を特徴とするもので,血管内皮の炎症と血栓症がこの変化をもたらすと推測された(図3).またCOVID-19に固有の血管新生関連遺伝子の発現が69種類認められた.少数例での検討であり,さらなる解析が必要である.