20/08/16 00:12:45 DDhAjxHR0.net
>>507
乃木は司馬がいうような無能ではないな
戦術としては第一回総攻撃は第三軍のありったけの砲弾でもって準備砲撃をしてから突撃している
結果として砲弾は足りなかったがこれは満州軍や大本営の責任であって乃木の責任ではない
第二回総攻撃からは坑道を掘って要塞施設の爆破と塹壕による歩兵部隊の前進、いわゆる要塞攻略の正攻法に転換している
失敗したのは思ったより旅順要塞の防御施設が堅固だったからで、
これを攻略するには第一次大戦の戦車や航空機の登場をまたねばならなかった
旅順は第一次大戦の塹壕戦と非常に似ている
第一次大戦でも両軍とも突撃を繰り返して数百万の戦死者を出したことを考えれば旅順で第三軍が苦戦したのは無理もない
乃木への批判として203高地総攻撃をためらったことが言われるが、
203高地攻略は旅順港のロシア艦隊を砲撃することにあった
やがてやってくるバルチック艦隊と旅順艦隊に挟み撃ちにされたら日本の連合艦隊に勝ち目がないからだ
だが乃木以下の第三軍司令部は、旅順艦隊はすでに壊滅していると判断していた
第二回総攻撃で南波山を占領した結果、旅順港が見えたのであった
そこからの観測で旅順港を砲撃し、旅順艦隊は壊滅したと判断された
旅順にもぐりこませた中国人クーリーのスパイからの情報でも旅順艦隊は砲を陸揚げしようさい防御に使用し水兵は陸戦隊になっているという
この情報は正しかった
乃木以下の第三軍の司令部は正しい戦況判断をしていたのだ
旅順攻略のそもそもの目的は旅順艦隊の撃滅なであり、それは達成されたのだから、莫大な犠牲を発生する203高地攻略など乃木が反対したのは当然であった
だが満州軍首脳部は大本営の指令(山縣有朋)をうけて動揺、児玉源太郎が第三軍に派遣され203高地攻略へと作戦変更する
史実として言えば、旅順は203高地攻略でも落ちなかった
旅順は第三軍の乃木らの構想のとおり望台砲台を落とすことで陥落した
旅順艦隊は乃木らが予想したとおり203高地占領の前にとっくに壊滅していた