20/08/06 15:35:46 MNKxT3c69.net
現役医師「これからは『コロナは風邪』と割り切る視点も必要だ」
ゴールを設定せずに、いたずらに業務停止や休校を命じることは有害でしかないと思っています。
新型インフルエンザでも、数十人がいっぺんに感染した時にはじめて学級閉鎖になり、校舎の消毒は行われませんでした。
これまではそれぐらい休校には慎重だったはずです。新型インフルエンザ流行でも、ノロでもロタでもO-157でも休業要請なんてしてきませんでした。
学校も、飲食店、旅行業、旅客運送業を含めたくさんのお仕事の人が、重症化しにくい一つのウイルスで被害が続くのは合理的ではありません。
少数の人に陽性が判明したことをクラスター、いあわせた人を濃厚接触者と呼ぶべきかどうかも慎重になるべきだと思っています。
検査数増加による判明者の拡大に過ぎず、調べていない隣の場所でも「濃厚接触」が起きているかもしれません。
また、その日にPCR陰性でも次の日に陰性である保証もありません。
目標は、日本人全員の毎日PCR? 国土からの駆逐? 封じ込め? どれも不可能です。
ましてや普遍的に存在し始めたコロナウイルスで差別や解雇など社会的排除は無意味です。
しばらくすると体からウイルスはいなくなります。差別している人々の方が、陽性かもしれません。そんなことは社会に損害を与え、自分の心も傷つくだけです。
現在見つかっていない地方都市でも毎日1万人ほどPCRやり続ければ、たぶん多数の陽性者や重症者を捕捉することができるでしょう。
少数の人を村八分にするところではない数になるはずです。そして夏の今ではなくカゼの仲間として冬に増えるでしょう。
現状は、何もないところに新たに連鎖反応が起きるクラスターのイメージとは程遠いものです。
冬の流行初期とは違う状況です。国土に普遍的に存在する常在ウイルス化しつつあることを認めましょう。
この県にも発見された、というのは既に存在したものが判明しただけなので報道の価値はあまりありません。
国は検査拡大だけでなく目的や陽性と判断した際の指針を明示しておくとよいと思います。
国民の恐怖に応えつづけると病院に元気な人が「大量入院」し、トコロテンのように後がつかえるので元気なままPCR陰性を待つことなく「大量退院」していかざるを得なくなります。
医療者は無為な作業に疲弊し、コロナ以外のもっとずっと多い他の疾患の患者さんも不利益を被り亡くなってしまうかもしれません。
そんな日本独自の医療崩壊は避けなくてはなりません。特に郊外ではそうです。
そもそも、そんな元気な人々が病院を経由する必要があるのかどうか。コロナウイルスに神経質になりすぎたことによる医療崩壊は自滅自壊でしかありません。
1日に多数がまだ発生している国も多く(※14)、少ない医療リソースを厳密に使って何とか乗り切っています。
重症者が多発することによる他国の医療崩壊と日本の「医療自壊」は程遠いものです。
目的とプラン無き検査拡大は、不安感を増すだけで有害性の方が多くなります。夏の今あわてるのではなく増加するかもしれない冬に備えましょう。
無症状者は、他者を感染させる危険は少ない前提での新しいルール作りが必要です。
私は、新型コロナウイルスを「日本では常在カゼウイルスの側面も持ち始めた」と割り切る視点が必要になってくると思います。
致死的な強毒ではない感染力のあるウイルスは、最終的に新型インフルエンザのように常在ウイルスになります。
冬季に増加し、来年の夏には減るカゼウイルスの一つになっていくでしょう。来年の今頃は、コロナを見慣れた私たちは大騒ぎのことも忘れているかもしれません。
冬に流行するインフルエンザウイルスもRAウイルスも、ノロやロタウイルスも夏の今でもきっと日本内に一定数保有されています。
それらのウイルスのPCRを全国規模で行えば、あちらこちらで「夏にもクラスター」しているかもしれません。調べないから知らないだけです。
登場から1年近く経過し(※16)、もう新型ではなく季節性コロナウイルスの性質を帯びてきたCOVID-19。日本にたぶん1年前から持ち込まれていたはずのウイルス。
時間が経過し、私たち日本人に溶け込み季節性の見なれたウイルスの一つに変わりつつあるのかもしれません。
大和田潔 医師 頭痛専門医、神経内科専門医、総合内科専門医、米国内科学会会員、医学博士。
著書に『知らずに飲んでいた薬の中身』(祥伝社新書)、共著に『のほほん解剖生理学』(永岡書店)などがある。
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