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「GoTo」参加ホテルで感染者 観光庁把握できず
2020年08月04日 20時15分
政府の観光支援策の「Go To トラベル」事業に参加登録している長野県のホテルで、新型コロナウイルスの感染者が出たことが分かった。4日に国会の野党ヒアリングで野党側が指摘したが、事業を所管する観光庁の幹部は把握していなかった。
「Go To」は、コロナで大きな打撃を受けた観光事業者を救う重要施策だが、感染拡大を助長する懸念もある。野党からは「感染者が出たという基本的な事実もつかめていないのに、感染防止と事業の両立が図れるのか」と批判が出た。
ヒアリングでは、野党側が「『Go To』の利用者で感染者はいるのか」と繰り返し問い、そのたびに観光庁幹部は「参加登録している宿泊事業者、旅行業者からの報告は受けていない」「宿泊事業者が感染者を把握していたら報告が上がる仕組みになっている」と返答していた。
だが、会合の終盤に野党議員が「長野のホテルがホームページで認めている」と追及すると一転した。ホテルによると、7月31日、神奈川県から赴任したばかりの新任の従業員1人の陽性がPCR検査で発覚。ホテルはこの事実を8月1日にウェブ上で公表していた。
観光庁側は「今、事実を把握したので、速やかにヒアリングなり検査なりしていきたい」と答えた。ホテルの公表後、3日間も感染を把握できていなかったことになる。
感染した従業員の濃厚接触者はいなかった。接触した他の職員は全員PCR検査で陰性だったといい、営業を続けている。 (森本智之)
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