20/06/06 20:26:03 V+hmZMyK9.net
新型コロナウイルスの感染が収まらないアラブ諸国で、イスラム教が認める一夫多妻制への風当たりが強まってきた。男性が複数の妻宅を訪ね歩くことで感染拡大の恐れが強い上、外出禁止で妻を公平に訪問することが困難となり、家庭不和が拡大。聖典コーランにも示された結婚の形が揺らいでいる。
イスラム教は男性に対し、公平に扱うことを条件に最大4人の妻との結婚を認めている。生活費の高騰や人権意識の向上により、現在では実践する夫妻は少数派。エジプト紙アルアハラムによるとエジプトで4%、アラビア半島の湾岸諸国で8%程度だ。チュニジアでは禁止されている。
複数の妻宅に夫が通うのが通例。エジプト・カイロの自営業者(50)の第3夫人(30)は電話取材に「別の妻が感染していたら自分も危険」と話した。
外出規制が厳しいクウェートでは、複数の妻宅を訪問できなくなったという男性や、夫が自分の家に来ないという女性の不満が募り、宗教界が対応に苦慮している。
イスラム教スンニ派の最高権威機関アズハル(カイロ)の指導者は昨年、一夫多妻制は女性にとって不公正だとの見解を示した。カイロの非政府組織(NGO)は、外出禁止で一夫多妻家庭内の暴力が増えると警告した。
それでも市民の意識は容易には変わらない。カイロ近郊で2人の妻を持つ技師アブアンマルさん(48)は「一夫多妻はイスラム社会の仕組みで、問題はない。コロナ拡大を機に2人の妻を近所に引っ越させ、公平な訪問ができるようにした」と話した。(共同)
毎日新聞 2020年6月5日 16時50分
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