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東京都内で新型コロナウイルスの感染者数が増加したのは、「五輪の延期が決まり検査を抑える必要がなくなったため」といった内容の言説が、拡散している。
五輪の延期決定と感染者数の増加には直接の因果関係がなく、この二つを結びつけるのは、誤りだ。
BuzzFeed Newsは東京都福祉保健局、厚生労働省結核感染症対策課感染症情報管理室、感染症対策の専門家に取材を行い、ファクトチェックを行った。
「五輪延期決定で検査を抑制する必要がなくなった」
安倍晋三首相、小池百合子東京都知事、IOCのバッハ会長が電話会談を行い、東京オリンピックを延期することで合意したのは3月24日。
25日夜、小池都知事は緊急の記者会見を開き、「今の状況を感染爆発の重大局面と捉え、この認識を共有したい」と語り、週末の外出自粛を呼びかけた。
そんな中、25日に投稿された「五輪延期決定で検査を抑制する必要がなくなった。これまで政権は検査をせずに感染症を少なく作っていたが、もうその必要なし。そのとたん東京で急に要請が増えた」というツイートが現在、4100回以上リツイートされている。
そのツイートを引用する形でラサール石井さんもコメント。
「検査数が一日4千件に増えたから陽性患者も増えただけ。
今まで五輪やりたくてわざと少なく見せていて、無症状の陽性患者が街にあふれていた。五輪延期が決まり手のひら返し。わかりやすい」というツイートは1万1000回以上リツイートされており、拡散している。
またフリーアナウンサーの久米宏さんもパーソナリティを務めるTBSラジオの番組で3月28日、「東京オリンピックの開催に関する東京の街のイメージダウンになる情報は、それまでめいっぱい抑えてきた。
延期が決まった瞬間、何もかんも発表して、感染者の数字なんてどうでもコントロールできますから」とコメント。
このように五輪延期と東京都内での感染者数の増加に関連性があるとする言説が広がっている。
「検査人数や検査件数が大幅に変動した事実はありません」
時事通信
東京都で新型コロナ感染症を担当する福祉保健局の担当者は、こうした情報が拡散されている現状に対し
「東京都が公開している都内の最新感染動向を確認していただくとわかるように、検査人数や検査件数が大幅に変動したという事実はありません」と語る。
担当者が注視するよう促すのは、海外渡航歴のある感染者数や院内感染の感染者数を除いた感染者数の増減だ。
情報をより迅速に発信するために、現状では細かい内訳が出る前に速報値だけが報じられることが多い。だが、重要なのは感染者数の増減だけでなく、そうした感染者の感染経路が明らかになっているのかどうかだ。
東京都
「東京都が公表している数字には病院での院内感染が疑われる場合の検診で感染が判明したケースも含まれています。
また、海外渡航歴のある方への検査も含まれています。ですが現在は、海外渡航歴もなく院内感染でもない感染者の数字を、すぐにはお伝えできていない状況です」
つまり、今は陽性の可能性が高い集団の検査結果が数多く表に出ている状況だ。だから陽性率も高くなる傾向にある。
感染経路がわかっていない人の検査結果が今後明らかになれば、どれほど水面下で感染が拡大しているのかが見える。むしろその結果が、今後の感染拡大の行方を考える上で重要だ。
「1日に40件を超える感染者が出ると、調査はその日のうちには終わりません。出来る限り早く正確な情報をお伝えしたいと考えていますが、その日の段階では難しい場合もあります」
今後は出来る限り迅速に感染者の詳しい情報を開示できるよう、努めていくと担当者は明かした。
(抜粋)
URLリンク(www.buzzfeed.com)
ファクトチェック:新型コロナ「五輪延期後に検査急増」は本当か 「感染隠蔽」説を検証すると… - 毎日新聞
URLリンク(mainichi.jp)
五輪延期決定は3月24日
URLリンク(i.imgur.com)