20/04/01 14:32:15 t+6HJcu49.net
【AFP=時事】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に立ち向かう治療薬として、過去数十年にわたって使用されてきた比較的安価な抗マラリア薬、クロロキンとヒドロキシクロロキンが注目されている。
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この二つは、数世紀前からマラリア治療に使われてきたキナの木から取れるキニーネを化学的に合成した薬だ。二つのうち、安全性がより高いヒドロキシクロロキンは、リウマチ性関節炎や狼瘡(ろうそう)などの抗炎症薬として使われ、熱帯以外ではそちらの用途の方がまず知られている。
二つは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬としてフランスと中国で行われた初期段階の試験で期待できる結果が出ている。米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は23日、新型ウイルス治療における「神からの贈り物」だと発言した。専門家らは大規模な臨床試験が必要だとして慎重だが、トランプ氏は先月、抗マラリア薬2種について緊急時の限定的な使用を許可した。
このクロロキンとヒドロキシクロロキンとはどういう薬なのだろうか?
■臨床試験の結果は?
中国が2月、COVID-19の患者134人を対象にクロロキンの臨床試験を行ったところ、症状の緩和がみられたという。ただしこの結果はまだ公式に発表されていない。
フランスでは3月下旬、マルセイユ(Marseille)にある地中海感染症大学病院研究所(IHU-Mediterranee Infection)のディディエ・ラウール(Didier Raoult)氏率いるチームが36人の患者を対象に試験を実施し、ヒドロキシクロロキンによってウイルス量が大幅に減少することを確認した。この効果は、細菌の2次感染の治療・予防に使われる一般的な抗生物質アジスロマイシンと併用した場合、特に顕著だったという。
さらに実験室の環境では、クロロキンとヒドロキシクロロキンの薬剤が共にSARS-CoV-2(新型コロナウイルスの正式名称)に対して効果があることが証明されている。
■効果の実証には数千人の臨床試験が必要
ただし、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長は、有望だからと言って効果が実証されているわけではなく、これまでに実施された小規模な研究は裏付けに乏しいと語る。
3月に発表された中国の患者30人を対象とした試験では、ヒドロキシクロロキンを使用しても標準的な治療以上の効果は得られなかったとの結果も出ている。
確かな証拠を得る唯一の方法は、無作為(ランダム)化臨床試験だと研究者らはいう。薬品開発では究極の判断基準だが、結果が出るまでに数か月あるいは数年かかる上、多くの場合、世界中の患者数千人で確かめなくてはならない。
国によっては慎重なアプローチを取っているところもある。例えばスペインは先月30日、「別途通知があるまで」は、クロロキンの投与はリウマチ性関節炎および狼瘡の患者が優先されると発表した。
一方、フランスのオリビエ・ベラン(Olivier Veran)保健相は、COVID-19の最重症患者にのみクロロキンとヒドロキシクロロキンの使用を可能とすると述べた。
もう一つの問題は、独自判断で病気を治そうとする患者が出ることだ。米アリゾナ州では今週、水生寄生生物を駆除する際に使用されるクロロキンの一種を服用した男性が死亡する例が発生している。
それでもすでにいくつかの国が臨床試験を開始している。米国でも今週ニューヨークで試験が始まった。
中国で実施された大規模な臨床試験の結果を待ちつつ、イタリアでは2000人を対象とした試験が行われている。他に手立てがない場合の例外的使用が広まる中、安全に関する警戒を怠らないことが重要だ。
米大手総合病院メイヨー・クリニック(Mayo Clinic)の遺伝性心臓疾患専門医マイケル・アッカーマン(Michael Ackerman)氏は、自覚症状のない不整脈がある場合、服用した人の約1%に心不全による失神や発作、場合によって突然死が起きる可能性があるという。【翻訳編集】 AFPBB News
4/1(水) 14:03配信
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