20/03/29 14:04:37 Pu9ivFw30.net
BCG接種は,結核菌に対する抗体をつくらせるのが目的ではありません。
結核に対する免疫はTリンパ球とマクロファージを主体とした細胞性免疫によるものです。
というのも、結核菌は細胞内に寄生しますので,細胞内に入ることができない抗体による液性免疫は,通常役に立たないからです。
体内に入ったBCGはまずマクロファージに貪食され,抗原情報がTリンパ球に提示され,Tリンパ球はBCGの抗原で感作されます。
BCGと結核菌とは共通の菌体蛋白質をもっていますので,BCGに感作されたTリンパ球は結核菌そのものの抗原で感作されたと同じ能力をもつようになり,記憶細胞として待機し,結核菌に遭遇したときに備えます。
次に結核菌が体内に入ってくると,この感作Tリンパ球が幼若化・増殖して,インターフェロン-γなどのサイトカインを産生することによって,マクロファージを活性化します。
そして,この活性化されたマクロファージが結核菌を効率よく貪食・殺菌することにより,結核感染の進展を抑えます。