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【ジャパン2020】 カメラやカセットテープ、「ハイテク」日本のアナログ愛
2019年12月2日
小村トリコ
昔ながらの問屋街や商店街が残る、東京の日暮里。いかにも下町らしいレトロな個人商店が立ち並ぶエリアに、2016年にオープンしたばかりのカメラショップがある。店内の壁一面のガラスケースには、どことなく懐かしさを覚えるデザインのカメラがぎっしりと並んでいる。
「カメラの電池を入れ替えてくれないか」。そう言って店を訪れた初老の男性がバッグから取り出したのは、今から40年以上前に製造されたというスウェーデン製のフィルムカメラだ。「ここ15年ほどはデジタルカメラを使っていたが、ふと思い立って、自宅にしまい込んでいたフィルムカメラを持ち出した」と男性は話す。
「三葉堂寫眞機店」は、カメラの修理や中古販売を行う専門店だ。ここで扱うのは最新のデジタルカメラではなく、旧式のフィルムカメラのみ。今年31歳になる店主の稲田慎一郎さんは、慣れた手つきでカメラに新しい電池とフィルムを装填して、機械の動作をチェックする。「これでいつでも使えますよ」と言って客の男性にカメラを返すと、彼はうれしそうな顔で店を出ていった。次の週末は撮影会に出かけるのだそうだ。
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