19/09/26 00:10:58.14 tSkEPjPB0.net
Q1.どうしてこの人だけ逮捕されないんですか?
A1.前提として、元々、被疑者(現行犯含む)の逮捕率は約36%です。殺人や危険運転致死傷の事案でもそれぞれ約37%、約39%です(検察統計)。なので、「だけ」というわけではありません。
Q2.どうして人が死んでいるのに逮捕されないんですか?
A2.逮捕(勾留)されるかは、逃亡・罪証隠滅のおそれの程度で決まります(刑訴法60条)。殺人(約37%)よりも覚せい剤(約71%)や恐喝(約78%)の方が逮捕率が高い(検察統計)のもこのためです。したがって、死者の有無は直接逮捕判断には影響しません。
そして、逃亡のおそれという点では、経歴や財産持ちの人物は、それらを捨ててまで逃亡することは非常に稀なので、その意味で、いわゆる上級国民の方が逮捕されにくいという側面があります。
罪証隠滅のおそれの点では、被疑者入院中に現場証拠を押さえ終わり、被疑者に隠滅可能な証拠が乏しいと考えられます。
Q3.どうして中々起訴されないんですか?
A3.元々、交通事故の事案では、事故から起訴までに半年~1年かかることがよくあります。被害者の後遺障害内容の確定等には通常時間を要します。
Q4.今後起訴されるんですか?
A4.起訴・不起訴が決まった過失運転致死罪の被疑者は、正式裁判での起訴が約43%、略式起訴(裁判なしの罰金刑)が約27%、起訴猶予が約6%、嫌疑不十分等不起訴が約25%です(検察統計)。
起訴される可能性の方が高いです。
Q5.起訴されると、どのような刑罰になりますか?
A5.過失運転致死罪とすると、罰金刑と懲役・禁錮刑の定めがありますが、懲役・禁錮刑になっても、約94%の事案で執行猶予が付きます(実刑判決は、執行猶予中の再犯事案やひき逃げ事案など)(司法統計)。
執行猶予付懲役・禁錮刑の可能性が高いです。
ソース:
・検察統計2018 罪名別 既済となった事件の被疑者の逮捕及び逮捕後の措置別人員
・検察統計2018 最高検,高検及び地検管内別 自動車による過失致死傷等被疑事件の受理,既済及び未済の人員
・法務省 犯罪白書平成30年版 交通事件 通常第一審における有罪人員(懲役・禁錮)の科刑状況