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中国を東アジアの地域覇権国として認め、米軍の段階的撤兵を!
米有力教授が米中「新型大国関係」で提言
2014年2月、米テキサスA&M大学のクリストファー・レイン教授は「パックス・アメリカーナの終焉後に
来るべき世界像」と題した論文を、隔月刊誌「外交」最新号に寄稿した。
衰退しつつある覇権国家・米国は今後、(第一次大戦の起きた)1914年以前の英国と似たような立場に
置かれることになると指摘。現在中国から挑戦を受けている米国は、戦争を選んだ英国の誤りを
繰り返すべきでなく、中国と戦争しないために、中国を東アジアの地域覇権国として認めるよう提言している。
同論文の主旨は、
(1)当時の覇権国家、英国は台頭しつつあったドイツの挑戦に直面、ドイツの挑戦を許さず、英国の国際秩序を維持しようとして
戦争になった。いま中国から挑戦を受けている米国は、戦争を選んだ英国の誤りを繰り返すべきでない、
(2)中国と戦争しないために、中国を東アジアの地域覇権国として認める。アジアに展開する米軍を段階的に撤兵する。
朝鮮半島、台湾、尖閣諸島で紛争が起きても軍事的に関与しない―というもの。
「オフショア・バランシング」戦略と名付けられたこの戦略は、米軍のアジアからの段階的撤退を意味し、
米国に安全保障を依存する日本にとって衝撃的な内容。
リアリストとして著名な政治学者、レイン氏は、米国の世界政策を論じた著書「幻想の平和」の中で、「覇権」という大戦略の
リスクとコストが増大しており、自らの地域の外にまで覇権を維持しようとする米国は、このままでは過去の帝国と同じように
手を広げ過ぎて国力が続かなくなり没落する、と警告。「アジア最大で潜在的には最も強力な中国に対して、
過剰に敵対的な政策の実行を避ける」よう提言している。