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(3)経済のグローバル化~市場メカニズムの地球的拡大
経済のグローバル化とは、「さまざまな経済主体
(企業など)による経済性の追求が地球規模で可能に
なること」を意味するが、市場経済メカニズムが地球
規模で機能することにより、資源はより効率的に生産
できる企業で使われるようになり、世界全体の生産性
は上昇して、世界経済は持続的に発展するとされてい
る。すなわち、世界各国に新しい国際的な分業構造が
形成されて、競争の促進と産業の発展をもたらす。中
国は世界市場への統合に最も成功した例であり、本格
的に対外開放した1979年以降、30年で一人あたり
GDPは約10倍に上昇し、貧困人口は5億人以上減少
している。また、アフリカ諸国も、近年世界平均を上
回る年率5%の成長を遂げている。いわば、世界の
国々で同じように「努力が報われる」社会に近づいて
いるともいえる。
一方で、市場経済メカニズムのもつ負の側面も、世
界的に拡散する。すなわち、世界経済の一体化は、世
界経済の同調性を高め世界同時不況のリスクを高め
る。先進諸国では、IT(情報技術)により産業の高度
化が進行するものの、同時に産業の空洞化による失業
率の増加やデフレーションが発生するおそれがあり、
一方、新興国では、アジア通貨危機等にみられるよう
な国際資本の逃避による経済危機の発生、国内産業構
造の急激な変化による貧富の格差の増大などの問題も
発生するおそれがある。また、市場経済メカニズムに
より、資源配分は効率的になるが、公平になるとは限
らない。食料価格が暴騰して貧困国に餓死者が出て
も、市場メカニズムはこれを防ぐ倫理規範を内在しな
い。