19/06/12 22:05:21.69 bcevqRx60.net
>>473の続き
長友:いろんな賞を取るきっかけになったのは「服薬補助ゼリー」ですよね。
飲みにくい薬を包み込んで一緒に飲むゼリー。どういうきっかけで開発を?
福居:当社の鎮痛薬につける水を開発してくれという営業の要請があったんです。 でも水じゃないだろう、ゼリーだろうと思って。
長友:それはなんで?
福居:病院にいるとき、服薬の時間に病棟に上がって入院患者さんの様子を見たことがあるんですけど、薬をうまく飲めない嚥下障害がある方には、ミキサー食に薬を混ぜて出したりするんですね。
でもそれだとまずいから食べない。食が進まないから薬も取れない。
薬を飲むときに補助できるものがあればな、というのがずっと頭にあって。それで勝手にゼリーを開発して経営会議に持っていったんですけど、当時の役員は年配者ばかりで、そもそもゼリーを知らない。
「何だこの気持ちの悪いものは?」と全員に反対されました。介護もクローズな時代だったから「薬が飲めない人がいるわけない」「ニーズなんて絶対ない」って。
長友:完全に却下ですか。
福居:却下。でも今の社長が就任したばっかりで、龍角散だけじゃダメだという危機感を持っていたんですね。そんなに言うならと介護施設に見学に行って現状を目の当たりにしたわけです。
それでようやくOKが出て1998年に施設や病院 向けに「龍角散の嚥下補助ゼリー」を発売しました。
長友:薬をご飯に混ぜていた施設で試したら、お米の消費量が増えたとか?
福居:そうなんです。おいしく食事をいただいたあと決められた量の薬を飲めばみんな元気になりますから。