19/05/07 22:54:25.94 ew7jIkkr0.net
「自動車運転処罰法」という法律をご存知でしょうか?
これは、交通事故の加害者を処罰するための法律です。正式名称は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」です。
交通事故加害者には、業務上過失致死傷罪が適用されていた
交通事故の加害者に適用される罪というと、「『業務上過失致死傷罪』ではないのか?」と思われる方がいるかもしれません。
確かに、以前、交通事故の加害者は、一律に業務上過失致死傷罪で処罰されていました。業務上過失致死傷罪は、業務上必要な注意を怠って、人を傷つけたり死亡させたりした場合に適用される罪で、刑法211条に規定されています。
車の運転は、業務として行っているものと言えますし、運転中に過失によって人を死傷させるので、交通事故を起こすと業務上過失致死傷罪が適用されたのです。
自動車運転致死傷罪が制定された
業務上過失致死傷罪の法定刑は、非常に軽いです。具体的には、5年以下の懲役もしくは禁錮又は100万円以下の罰金です。つまり、交通事故で人を死亡させたとしても、最高で5年間の懲役刑しか適用されないのです。
ところが、近年、悪質な交通事故事案が相次ぎました。
人がたくさん集まっている場所に車で突っ込んできたり、飲酒状態や薬物を摂取した状態で運転して人を死傷させたりなど、「故意とも同視出来るような悪質な交通事故」が起こり、こういったケースまで「業務上過失致死傷罪」で処罰することが問題視されたのです。
そこで、平成19年、刑法内に「自動車運転過失致死傷罪」という犯罪類型が作られて、刑罰が重くなりました。懲役刑の上限が引き上げられて、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金刑となりました。