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外国籍児童・生徒1万人超が日本語「無支援」
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開示された資料には「指導を必要としている児童生徒の数が多すぎる」など自治体の切迫した状況がつづられていた=東京都千代田区で2019年5月3日
日本の公立学校(小中高と特別支援学校)に通い、学校から「日本語教育が必要」と判断されたにもかかわらず、指導を受けられていない外国籍児らが全国で1万400人に上っている。毎日新聞が文部科学省に情報公開請求したところ、こうした児童生徒が全都道府県にいることが判明した。日本語が分からず授業が理解できない「無支援状態」の児童生徒が、外国人集住地域だけでなく全国に広がっていると言え、国レベルの対策が急務になっている。
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文科省は2年に1回、「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(日本語指導調査)」で、公立学校に通い日本語教育が必要な児童生徒の人数を調べ、公開している。2016年5月の調査では、日本語指導が必要な児童生徒は全国の8396校に4万3947人確認された。多くは外国籍だが、保護者の結婚などで日本国籍を取得し、移住した児童生徒も含まれる。
このうち3万3547人は日本語指導のため特別に配置された教員(加配教員)や非常勤教員、ボランティアらから指導を受けていたが、24%に当たる1万400人は誰にも指導されていなかった。無支援状態の児童生徒は14年度調査に比べ3684人増えていた。
毎日新聞は、この時に都道府県が文科省に提出した調査票を情報公開請求し、開示された資料を分析した。指導を受けられていない児童生徒は、愛知県1343人▽東京都1129人▽神奈川県1039人―など外国籍児らが多く暮らす自治体が上位を占めた。割合順は、長崎県61%▽鹿児島県43%▽三重県39%―など。33都道府県で無支援状態が2割を超えた。
支援が行き届かない背景には加配教員の不足がある。開示資料によると加配教員は全国に2224人しかおらず、8396校の30%に当たる2491校は指導者がいなかった。文科省は日本語指導が必要な児童生徒18人当たり担当教員1人を増員するとしているが、1校当たりの外国籍児らの在籍数は「5人未満」が7割以上で、対策が追いついていない。【奥山はるな、堀智行】
◇日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査
文部科学省が1991年度から全国の公立小中高校や特別支援学校を対象に始め、現在は2年に1度実施している。文科省は教員が児童生徒と対話をしながら、複数日にわたって日本語能力を測る「Dialogic Language Assessment(DLA)」の活用を推奨しているが、判定に時間がかかることなどから導入は2割程度にとどまっており、大半の学校が授業の様子や来日後の期間を基準に日本語能力を判定している。文科省は全国の最終集計のみを公表しているため、毎日新聞が開示を受けた都道府県調査票とは一部、数字が一致しない。
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5/4(土) 19:16配信 毎日新聞