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確執はとっくに始まっていたんだな
日産・ルノー、揺らぐ「暗黙の了解」(ルポ迫真)
2018/6/19 18:30[有料会員限定]
5月30日朝のオランダ。「アムステルダムの森」と呼ばれる広大な公園近くの小ぶりな建物に3台の車が滑り込んだ。
降りてきたのは仏ルノー会長兼最高経営責任者(CEO)のカルロス・ゴーン(64)と日産自動車社長兼CEOの西川広人(64)、
そして三菱自動車CEOの益子修(69)だ。
「皆さん、おはよう。さあ始めよう」。挨拶もそこそこにゴーンが切り出した。「イタリア政局が混迷している。欧州全域に影響を与
えるかもしれない」
建物は大きさと裏腹に、3社連合の統括会社「ルノー・日産BV」(RNBV)が本社を置く。中長期的な経営戦略を立案する中
枢だ。「電動化の進捗の説明を」。3社の最高幹部を集めた経営会議では3人のトップから矢継ぎ早に質問が飛んだ。
3人が昼食で別室に移動してもイタリアの話題が続く。「これが大きな不況を招かないといいが」。ゴーンは主菜の肉をほお張りな
がら語りかけた。
RNBVはルノーと日産の提携関係を象徴する。両社は1999年以来「対等の精神」を暗黙の了解にして連合を成長させてきた。
資本の論理では日産に43.4%を出資するルノーが上位にあるが「勝者にも敗者にもならない」(日産元幹部)ことで円滑に連携し
てきた。RNBVもルノーと日産が折半出資で設立し本拠はフランスでも日本でもない。だが、その「対等」がここに来て揺らいでいる。
「またルノーか」。3月中旬。人事資料を見た日産の中堅幹部が吐き捨てた。翌4月、両社は三菱自を交え機能統合の分野を
増やした。アライアンス・リーダーと呼ぶ各分野の統括役9人が任じられたが、4月以降の日産所属は4人。そのうちの1人はルノー
から日産に派遣されている。4分野で統合を始めた2014年は両社がポストを分け合い、日産が最も重要な開発と生産を押さえていた。
本社勤務の40代男性社員は就業中に携帯電話のメールを頻繁に確認している。転職活動のためだ。「ルノーなど外部人材が重用
され、閉塞感が漂っている。親しい同僚と転職の話をおおっぴらにすることも増えた」
日産の17年の世界販売台数は581万台でルノーは376万台。電気自動車(EV)のような最先端技術の開発も日産が連合をリードする。
だが、その影響力は小さくなるばかりだ。
日産幹部は嘆く。「ルノーに助けてもらったご恩はもう十分に返したよ」