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■阪本健二・志貴春彦・笠原嘉訳,『ひき裂かれた自己』,みすず書房,304p.
「分裂病(現統合失調症)という状態など存在しはしないのです。分裂病というレッテルを貼られることは一つの社会的事実であり、この社会的事実とは一つの政治
的出来事です。社会における市民的秩序の中でおこっているこの出来事は、レッテルを貼られた人間の上に一定の定義と結論を押しつけます。
分裂病というレッテルを貼られた人間は、他者の監督下に、それも法律的に是認され、医学的に権能を与えられ、道義的に義務付けられた他者の監督下におかれます。
こうした一連の社会的行為を正当化しているのは社会の指令なのです。レッテルを貼られた人間は家族、家庭医、ソーシャルワーカー、そうしてしばしば仲間の患者
たちも加わっての一致した連携的共謀行為によって、患者として人生の道程を歩みはじめさせられるのです。」
(Laing([1960,1969=1971])