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2: 名無しさん@おーぷん2017/03/19(日)00:20:14 ID:498
京都山岳会登山隊の白水ミツ子隊員が、第一キャンプからベースキャンブへ下山中、
ボゴダ氷河のヒドン・クレバスに転落、死亡したのは、一九八一年六月十日のことであった。
ボゴダ峰第一キャンプから三十分ほど下った
アイスフォール帯直下の広い雪原状の氷河上で白水隊員はクレバスに転落した。
直ちに第一キャンプに緊急連絡され、
第二キャンプからかけつけた救助隊員が現場に到着したのは十三時十分。
彼女の生存は確認された。宮川隊員がクレバスへの下降を試みる。
入口は八十センチくらいの人間がやっとひとりくぐれるくらいの氷の割れ目だが、
中に入るにしたがってさらに狭くなり、上から四メートルのところで少し屈曲して幅は五十センチくらい。
そこで下の方にひっかかっているザックが見えた。
しかしそこからはさらに狭くなり、靴を真っすぐにしては入れず、アイゼンの爪が効かない。
ザイルにぶらさがったままの状態で、少しずつ降ろしてもらい、ようやくザックに達する。
「大丈夫かあ」
期待をこめてザックに手をかけるが、その下に白水さんはいない。
声をかけると、応答はあった。
が、まだはるか下の方である。