18/01/12 02:17:35.70 LDP3TjzT0.net
まあ、若い頃に海外に行くのは悪いことじゃないと思うが。
例えばおれなんかはハンバーガーを頬張ってコーヒーを流し込むと思い出すんだよ。
昔の生意気だった頃の記憶さ、マイルドセブンをジーンズの後ろポケットに入れてるだけで、
自分が少しだけ背伸びしてた気分になれていた70年代。
当時は夢も希望もあったから、勢いだけでアメリカに飛んだものだ。
ただそう簡単じゃなかったよ。アメリカで成功できる人間なんて指で数える数しかないからね。
ニューヨークに住んで3年ぐらいした頃には情熱はとっくに冷めていた。
ただ、アメリカの暮らしやライフスタイルは悪いとは思わなかったな。
生き方が個性的で、格差に関係なく皆が自信をもって自分を表現している。
当時、寂れたスラム街で気ままに生きるファッションな人々に憧憬を抱いたものだ。
行きつけのカフェでありったけのなけなしの小銭をテーブルに置いて、
100セントのハンバーガーを頼んで彼らの自然体に生きる姿を真似していたんだ。
ある日、不愛想な黒人ウェーターに言われた言葉だ。
「日本人のお前に、この味はわかるかい?」
「・・・どうだろう。強いて言うなら、日常の味だろうかね」
そう答えたとき、彼は初めて笑顔で握手してくれた。
アメリカがおれを認めてくれた瞬間だったよ。
もう二十年経つなあ・・・。行きつけのハンバーガーショップで、
クラシックバーガーの代表格と言えるアンガスビーフの香りを嗅ぐたびに当時を思い出すよ。