17/12/28 00:10:21.66 CAP_USER9.net
「決着」からはほど遠い。2020年東京五輪の影響で、「東京ビッグサイト」(有明)が使用制限され、毎年8、12月にある世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」の開催が危ぶまれている問題。主催者側が、20年は8月開催分を5月のゴールデンウイーク(GW)に前倒しすることを決め、一部メディアは「コミケ問題決着」と報じていたが、事はそう簡単にはいかない。
この問題については、小池百合子都知事が9月の会見で「5月1~5日にコミケ関連で使えるように関係者と調整する」と表明していた。今回の決定は、主催者側が都の要望に応えた格好だ。
コミケは、一般の有志がサークルを組み、漫画やグッズなどを作製し即売するイベント。3日間開催され、直近の8月は延べ50万人が訪れた。ネット上では早速「ただでさえ混雑するGWに開催しては、東京が大パニックになる」「(首都圏外から来る)遠征組の宿泊施設がなくなる」といった声が上がっている。同人誌業界関係者はこう危惧する。
「もともと毎年のGWには1日約5万人が来場する『スーパーコミックシティ』など、中小規模の同人誌即売会が連日開催されています。そこにコミケを無理やりねじ込もうというわけです。しかも20年のGW期間中は、5棟あるビッグサイトの展示場の中で最も広い東展示場が、五輪のメディアセンターとなるため使えません。従来より小さな『ハコ』に大中小の同人誌即売会の出展者たちを詰め込むなどとても無理。20年の夏コミは事実上の中止ですよ」
問題はコミケだけじゃない。そもそも五輪開催に伴い、ビッグサイトは19年4月から20カ月間、使用が制限される。周辺の「幕張メッセ」(千葉)や「さいたまスーパーアリーナ」(埼玉)は競技会場となるため、首都圏近郊では企業と企業の“出合いの場”である展示会が開催できなくなり、約2兆円もの経済損失が出る恐れがあるのだ。
「全国の出展者からは『このままでは倒産してしまう』といった悲鳴が続々と上がっています。都は『展示会など一過性の祭り』と考えているのなら、大きな間違いです。五輪の経済効果が、2兆円もの損失を補填できるのでしょうか。非常に危機感を覚えています」(日本展示会協会の吉田守克副会長)
五輪が日本経済に打撃を与えては、元も子もない。
配信2017年12月27日 10時26分
ライブドアニュース(日刊ゲンダイ)
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