17/12/28 01:50:36.73 4EbisDjB0.net
1.甲状腺がんの過剰診断って?
がんという病気は、長らく良性の腫瘍が悪性化してできるとされ、早く見つけて早く治療すること、すなわち早期診断・早期治療が常識とされてきました。
ところが最近、甲状腺がんにおいて転移能・浸潤能など立派にがんとしての性質を持っていながら、
なぜかある程度で成長を止めてしまうため一生患者に悪さをしないものが多数存在することが証明されるようになりました。
これらのがんを若年型甲状腺がんと呼びます。
このようながんをあまり早い時期に見つけてしまうと、患者に本来不要であった手術を施してしまうことになります。これが過剰診断です。
2.甲状腺がんはいつからできているの?
外から確認できるようなしこりとして発症する甲状腺がん(これを臨床的な甲状腺がん、と言います)は40代以降に多く発生します。
ところが、甲状腺がん以外の原因で死亡した人を解剖してみると(これを剖検と言います)、若年者でも非常に高い確率で小さな甲状腺がんが見つかります。
これが若年型甲状腺がんです。
このような小さな甲状腺がんは10代後半からちらほら出現し、20代で急速にその頻度が増加し、30代中ごろには中高年とほぼ同じ頻度になります。
すなわち、超音波でしかわからないような甲状腺がんは子供のうちからできているのですが、その多くは途中で成長を止めて臨床的ながんにまで進展しないのです。