17/11/25 10:21:52.87 Lja4lTGB0.net
>>691 中略つづき
「左派発」にめだつ針小棒大
最後に、日本型フェイクニュース氾濫の源が政治的右派に偏っているという現下の日本のフェイクニュース状況の中でも、少なからず存在する政治的左派から発生するフェイクニュースの類にも言及しなければならない。
冒頭で述べたように、よく言えば校正、悪く言えば上部組織からの検閲を受けて、適宜真贋が補正されてきた日本における政治的左派からの言説には、フェイクニュースは発生しにくい。
あえていえば、事実を意図的に誇張したり、例えば10の事実を100にしたりして針小棒大に解釈する、という拡大解釈が目立つ傾向にある。
しかしこれは事実をもとにした解釈の軽重なのだから、正確にはフェイクニュースというよりも解釈の相違とするべきだが、あまりにも度を越した解釈の拡大は、「広義のフェイクニュース」と呼んでも差し支えないかもしれない。
例えば、ヒット本となった『日本会議の研究』(扶桑社、菅野完著、16年出版)。この本では草の根運動としての保守団体・日本会議の知られざる内幕が縷々(るる)つづられている。
しかしながら、この本を読んでか読まずか、先鋭的な政治的左派とみなされるネット上の一群の人々は、日本の右派のすべてが日本会議に牛耳られており、政権与党をも操っている影の黒幕であるという陰謀論めいた拡大解釈に陥ることが多い。
自民党の保守系政治家の少なくない部分が日本会議との接点を持っていることは事実だが、日本会議の実態は衰微しつつある中小零細の新宗教団体と、高齢化した旧軍関係の団体などの連合体であり、政権与党を操ることができるだけの政治力を持ち合わせてはいない。
一例を挙げると日本会議が支援した候補に、16年参院選全国比例の山谷えり子氏がいる。山谷氏の得票は約25万票。対して、日本共産党602万票、公明党757万票(16年参院選)。
仮に山谷氏の25万票すべてが日本会議の力によるものだとしても、これでは、政権を牛耳るには程遠い。
日本会議が保守系政治家とつながっていることは事実だが、その影響力は陰謀論めいた極論を振り回す過程で、様々に拡張されがちである。
これを「広義のフェイクニュース」と定義すれば、それに合致するであろう。