17/06/11 19:06:41.71 7RJG1C+I0.net
>>732
ちょっと長いけど。
両陛下は国民経済にはご興味ないようで。
在日外国報道協会代表質問
問3 両陛下にお伺いしたいと思います。陛下が即位なさったのは,いわゆるバブル経済のただ中でありましたが,
この20年は日本にとって大変厳しい時となりました。ご存じのように高齢化が進み,人口が減少し始め,経済は不安定です。
両陛下は,日本の将来に何かご心配をお持ちでしょうか。お考えをお聞かせください。
天皇陛下
今,日本では高齢化が進み,経済が厳しい状況になっています。
しかし,日本国民が過去に様々な困難を乗り越えて今日を築いてきたことを思い起こす時,
人々が皆で英知を結集し,相携えて協力を進めることにより,日本が現在直面している困難も一つ一つ克服されることを願っております。
私がむしろ心配なのは,次第に過去の歴史が忘れられていくのではないかということです。
昭和の時代は,非常に厳しい状況の下で始まりました。昭和3年,1928年昭和天皇の即位の礼が行われる前に起こったのが,張作霖爆殺事件でしたし,
3年後には満州事変が起こり,先の大戦に至るまでの道のりが始まりました。
第1次世界大戦のベルダンの古戦場を訪れ,戦場の悲惨な光景に接して平和の大切さを肝に銘じられた昭和天皇にとって誠に不本意な歴史であったのではないかと察しております。
昭和の60有余年は私どもに様々な教訓を与えてくれます。過去の歴史的事実を十分に知って未来に備えることが大切と思います。
平成も20年がたち,平成生まれの人々がスポーツや碁の世界などで活躍するようになりました。
うれしいことです。いつの時代にも,心配や不安はありますが,若い人々の息吹をうれしく感じつつ,これからの日本を見守っていきたいと思います。
皇后陛下
今,質問の中で指摘されているような問題で,日本の将来を全く心配していないということではありませんが,
私はむしろ今既に世界的に蔓延する徴候を見せており,特に若年層に重い症状の出る新型インフルエンザのこと,
また,今後日本に起こり得る大規模な自然災害のことが心配で,どうか大事なく,人々の暮らしの平穏が保たれていくよう願っています。
国の進む道で,避け得る災難は,人々の想像の力と英知で出来得る限りこれを防がねばなりませんが,
不測の事も起こり得ないことではなく,これからの日本の前途にも,様々な大小の起伏があることと思います。
振り返ると,私がこれまで生きてきた年月の間にも,先の大戦があり,長い戦後と,人々の並々ならぬ努力によって成し遂げられた戦後の復興がありました。
多くの苦しみ喜びを,人々は共に味わい,戦後60年の歴史をたどってきたと思います。
近年日本の社会にも様々な変化が起こり,家族が崩壊したり,人々が孤立していく傾向が見られますが,一方,社会が個人を支えていこうとする努力や,
地域が高齢者や子どもたちを守っていこうとする努力も其処ここで見られ,また,民間の各種の支援運動も増えて,人と人,家族,社会と個人など,人間関係の在り方が,今一度真剣に考え出されているように思われます。
この十数年の経験で,陛下もお触れになりましたが,これまでに訪れた被災地の各所で,かつて自身も被災者だったという人々によく出会いました。
苦しかったときに人々から受けたご恩を,今度は自分が,新たに被災した地域でお返ししたかった,とだれもが話していました。
被災地で目にした,こうした連帯意識にあふれた行動は,同じく私どもがどの被災地でも必ず感じる,逆境における人々の立派さ-自制,忍耐,他への思いやり,健気さ-などとともに,
自らも状況に心を痛めておられる陛下に,どれだけの希望と勇気をお与えしたか計り知れません。
心配を持ちつつも,陛下と共にこの国の人々の資質を信じ,これからも人々と共に歩んでいきたいと思います。